2部分:第二章
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そうよね」
話をしながらまたラーメンをそれぞれすすりだした。
「博多ラーメンもね」
「ただしよ」
ここで朋子は言う。強い声になっていた。
「絶対に味はここまでじゃないわね」
「違うの」
「絶対に違うわ」
断言であった。
「正直ここまで美味しいラーメンってそうはないから」
「そうね。こんなに美味しいのって」
晶子もここで二人が住んでいるその名古屋のことを思い出しつつ言いだした。彼女達は藤井信太郎のコンサートの為にわざわざ福岡まで来ているのである。
「名古屋の本場きし麺だけよね」
「そういうことね。やっぱり御当地ものが一番ってわけよね」
「けれどこう言うわよね」
晶子はまた言う。
「名物に美味しいものはないって」
「それは名物によるわね」
朋子の返答は範囲の広いものだった。
「美味しいものもあればそうでないのもあるし」
「そういうものなの」
「長崎のカステラあるじゃない」
朋子が次に語ったのはこのことだった。
「あれは長崎のが一番美味しいわよね」
「確かに」
「そうよ。だからね」
朋子はまた言う。
「ここのラーメンだってそうなのよ」
「そういうことなのね」
「ええ。ところで晶子」
「今度は何?」
「おかわりしない?」
こう晶子に提案してきた。
「もう一杯。どう?」
「乗ったわ」
楽しげに笑って朋子の言葉に応える晶子だった。
「是非共ね」
「じゃあ腹ごしらえが完全になったところで」
「コンサートに行きましょう」
「そういうことでね」
笑みを浮かべ合いながらラーメンを食べてそれからコンサートに向かう。コンサートは実に楽しいものだった。それが終わってから二人は上機嫌でホテルに戻った。
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