第102話(SC篇終了)
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れても……」
「クスクス………」
「フッ…………」
エステルとヨシュアの痴話喧嘩にカリンとレーヴェはそれぞれ微笑ましく見守っていた。
「あ、そうだ………ここで姉さんに返す物があったんだ。」
その時カリンに返す物がある事を思い出したヨシュアは懐からある物を取り出そうとし
「私に返す物?一体、何かしら?」
「…………それは勿論、これに決まっているよ。」
不思議そうな表情で首を傾げているカリンに懐から取り出したエステルから返してもらったヨシュアにとって亡くなったカリンの形見であったハーモニカを手渡した。
「え………これは………」
「そのハーモニカは………」
「あ……それってヨシュアの………ううん、カリンさんの遺品の………」
「姉さんが逝ったあの時、手渡されたハーモニカ………ずっとそれを姉さんの代わりとして持っていたけど、姉さんが生きている以上それは僕が持つ物じゃないよ………それにやっぱりそのハーモニカは姉さんが持つべき物だもの。」
「ヨシュア…………ありがとう…………」
ヨシュアの話を聞いたカリンは優し気な微笑みを浮かべてハーモニカを両手で大事そうに包み込んだ。
「……そうだ!ねえねえ、カリンさん!せっかくだし、カリンさんのハーモニカで”星の在り処”をあたしにも聞かせてよ!ヨシュアがカリンさんがそのハーモニカで奏でる”星の在り処”の事をいつも口にしていたから、あたしもカリンさんがそのハーモニカで奏でる”星の在り処”がどんなのかずっと気になっていたんだ!」
「ちょっと、エステル……僕はそんな頻繁に姉さんのハーモニカの事を話した覚えはないけど?」
「フフ………―――わかりました。エステルさんには色々とお世話になりましたから、私のハーモニカでよければお安い御用です。」
「やった♪」
「フッ、久しぶりにカリンの”アレ”が聴けるな………」
カリンが自分の要望に応じた事にエステルが嬉しがっている中、レーヴェは静かな笑みを浮かべた。
「ちなみに確認しておきますけど、本当に”星の在り処”でいいんですか、エステルさん。他の曲も吹けますが………」
「うん!他の曲なんていらないわ!」
「だって姉さんには………」
「俺達が好きなあの曲………”星の在り処”が一番似合っているからな。」
「…………もうっ……………」
他の曲を奏でる必要があるかどうかエステルに確認したカリンだったが、3人とも自分にとって想い出深い曲である”星の在り処”のみを奏でて欲しい事を答えると恥ずかしそうに笑った後、ハーモニカで優しげな微笑みを浮かべながら”星の在り処”を吹き始めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪
その後
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