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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
よく見ると開いてる
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を盗む?」

階段の方を見ながら赤紫色の髪をした少女がそう言う。でもそれだと、バレないように盗み出すのは至難の技だろうし、恐らく戦闘になるのは目に見えている。そうなると他の闇ギルドのメンバーも援軍に来るだろうし、少々手厳しいものがあるかな?

「う〜ん・・・」

ガチャガチャ

頭をフル回転させているその後ろでは、レオンが念のため扉が開かないかドアノブをいじっている。今考えてるんだから静かにしてくれないかな?

「やっぱりシェリアの言う通りだね」
「うん。私もそう思う」

さんざん悩んだ結果、先ほどのシェリアの策しか思い付かなかった。リスクはあるけど、戦いになった時の保険としてクロフォードさんにお願いしてきた訳だし、これは想定の範囲内でしょう。

「みんな!!ちょっと待っててね!!」

扉越しに部屋の中にいるエクシードたちへと声をかける。みんな助けが来たことに喜んでいるようで、俺の言葉にも元気に返事をしていた。

「全員で追いかける?」
「うん。それがいちば――――」

パキンッ

「「「!?」」」

どうやって鍵を奪い取るかの計画を練ろうとしていると、突然どこからか何かが粉砕するような音が聞こえる。その音の正体が何なのか、気になってしょうがない俺たちはその方向へと向き直る。

「あ、よく見たら開いてるじゃん」

そこにいるのはやはりというべきなのか、規格外の能力を保有するこの男だった。少年は先ほどまで閉ざされていたはずの扉をまるで当たり前のように開閉している。その理由は、先ほどの破裂音にあった。

「お前・・・無理矢理ドアノブ回したのかよ」
「えぇ!?」
「そんなのアリ!?」

本来なら鍵がかかっているがためにロックされていたドアノブ。だが、レオンはそれを力業で回してみせ、鍵自体を破壊したのだった。これなら中にいるエクシードたちにも危害が及ぶ心配もないし、奴等から鍵を奪い取る必要もない。まぁ、普通の人間ならそんなことできないだろうけどね。

「何言ってるの?シリル。俺は普通にノブを回しただけだけど?」

扉を押し開けながら逆に俺の方を不思議そうな目で見ている少年。違う!!ここは俺の方が絶対に正しい!!お前のそれは間違いなくおかしい分類に入るからな!?

「私・・・レオンに不可能がないように思うんだけど・・・」
「奇遇だね、あたしもだよ」

まさかそんな解決方法を用いてくるとは思っていなかった天空の魔導士二人は、若干青ざめながらそんなことを話している。それには俺も同意せざるを得ない。こいつならいつか、敵の攻撃も「それ、残像だけど?」とかいって交わしてしまうような気がしてならない。
レオンは本当に人間なのだろうか?少し疑問が芽生えてきたぞ。

「お前、さらっと失礼だ
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