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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第105話
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峡谷から風が吹くからな。まだ過ごしやすいかもしれん。」
「俺の故郷は……山間にあるからこの時期でも涼しいくらいだな。そう言えばセレーネはこの暑さに参っていないのか?」
「はい、わたくしの祖国―――アルフヘイムは常夏の国ですから、この程度の暑さは慣れていますので平気ですよ。」
「へ〜、そうなんだ……そう言えば……リィン達、貴族生徒なのに結局帰省しなかったんだよね。」
リィンの疑問に答えたセレーネの説明を聞いたエリオットは目を丸くした後ある事を思い出して首を傾げた。
「一応、6人共許可は出ていたんでしょう?」
「はは……クラス全体が休みになるなら考えたけど。妹達とも会ったばかりだし、今年の夏は止めておいたんだ。」
「わたくし達はこの間の”特別実習”で行ったばかりですから。」
「エリウッド義兄さん達には顔出しはできましたから、必要はないと思って止めておいたんです。」
「それにケルディックの公務で普段抜けている分、夏休みの間は取り戻したいと思いまして。」
「―――元より修行中の身。自分なりの手応えが得られるまで中途半端に帰るつもりはないな。」
「フン……わざわざ居心地の悪い実家に帰る阿呆がいるか。この暑さを我慢した方が千倍マシというものだ。」
「そ、そんなにイヤなんだ。」
アリサの疑問にリィン達がそれぞれ答えている中、呆れた表情で答えたユーシスの話を聞いたエリオットは苦笑した。
「―――まあ、暑さに関係なく色々慌ただしくなっているしな。関係者にとったら暑さどころじゃないだろう。」
「……確かに。」
「クロスベルで行われるという”西ゼムリア通商会議”か。」
マキアスの言葉に頷いたエマに続くようにガイウスは静かに現在世間を騒がしている出来事を呟いた。
「”西ゼムリア通商会議”……IBC(クロスベル国際銀行)総裁も務めるディーター・クロイス市長の提案により開催される国際会議ね。」
「エレボニア帝国からは、皇帝陛下の名代としてオリヴァルト殿下……そして……オズボーン宰相が正式に出席されるんでしたね。」
「……メンフィル帝国からは、シルヴァンお兄様の名代としてリフィアお姉様……そして補佐のレンが出席する事になっています。」
エマとプリネがそれぞれ言うとリィン達は黙り込んだ。
「―――”鉄血宰相”ギリアス・オズボーンか。何というか……とんでもない存在感だったな。」
「何でも呑みこみそうな”怪物”って感じ。」
「エレボニア帝国政府代表……軍部出身の政治家で、11年前、皇帝に信任されて宰相となった人物。帝国正規軍の7割を掌握すると聞く。」
「帝都を中心に、全土に
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