第1話
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るわ。」
エステルの指摘にケビンは苦笑しながら説明した。
「巡回神父?」
ケビンの説明を聞いたエステルは理解できず、首を傾げた。
「礼拝堂のない村ってあるやろ?そういう村を定期的に訪れて礼拝や日曜学校を執り行うわけや。ま、教会の出張サービスやね。」
「なるほど……そんな神父さんがいるんだ。」
「まあ。礼拝堂勤めの神父と違って法衣とかも適当なヤツが多くてな。そんなワケで大目に見たってや。」
「うーん、まあいいか。それじゃあ、ケビンさんはこれからどこかの村に行くんだ?」
ケビンの説明を聞き、納得したエステルは尋ねた。
「や〜、実はオレ、リベールに来たばかりなんや。巡回神父の手が足りんらしくて本山から派遣されて来たんやけど。」
「あ、そうなんだ。教会の本山って……どこにあるのか知らないけど。」
「大陸中部にあるアルテリア法国ってとこや。まあ、グランセル大聖堂の大司教さんに着任報告する前にちょいと観光でもしたろ思ってな。で、こうしてブラブラしてるわけや。」
「ガクッ……ダメじゃない。ホント、いい加減な神父さんねぇ。」
余りにも神父らしくないケビンにエステルは呆れて溜息を吐いた。
「ええねん。いずれ巡回する場所の下見や。こうして、悩みごとがありそうな可愛い子と巡り会えたしなー。うんうん、これぞ女神のお導きやで。」
「まったく調子いいわねぇ。」
ケビンの調子のよさにエステルは苦笑した。
「……でも、ありがと。泣いたらスッキリしちゃった。ダメよね、うん。ちゃんとヨシュアを信じないと。」
「へ……?」
エステルの口から出た突拍子のない言葉にケビンは首を傾げた。
「あ、ヨシュアって、あたしの兄弟みたいな男の子なんだけど。いきなり居なくなっちゃったからあたし、ちょっと驚いちゃって……」
首を傾げているケビンにエステルは説明を始めた。
「いきなり居なくなったって……。それって、家出かなんかか?」
エステルの説明を聞いたケビンは驚いた後、真剣な表情で尋ねた。
「ううん、違う。一足先に家に帰っただけなの。だって家族なんだもん。勝手に居なくなるわけないんだから。」
「………………………………」
笑って説明するエステルをケビンは真剣な表情で黙って聞いていた。
「でも、ホント失敗したなぁ。告白はタイミング悪かったかも。ヨシュアに会ったらうまい具合にごまかさないと……」
「………………………………。……なあ、エステルちゃん。」
黙って聞いていたケビンはやがて口を開いた。
「ふえっ?」
話を遮られたエステルは驚いて声を出した。
「いや……。………
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