1部分:第一章
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せんでした」
「じゃあ一体どうして」
「残念ですが私がわかるのはここまでで」
申し訳なさそうに調査の終了を述べる。
「あとは」
「ええ、わかっています」
探偵に対して答えるのだった。
「御代は口座に振り込んでおきます」
「それで御願いします」
こう話して終わるのだった。だが結局幹枝が望む夫の変貌の理由はわからなかった。つい最近まであんなに夜も昼も求めてきたのにと思う。だがそれでも答えは出ない。そのことへの苛立ちが彼女を遂にある行動に移すのだった。
それは盗撮だった。犯罪めいていると思ったがそれでもそれを選んだ。彼女にとってみればそれしかもう選択肢がなかったのだ。だからそうしたのである。
まずは盗撮の機械を密かに買ってそれを夫の部屋に隠した。そうはわからないように細工するのに苦心したが天井に設けることでそれを解決した。まずはこれでよし、天井に設けた隠しビデオカメラを見てこう思った。
それからテストをして映像を確かめる。成功だとわかってからは普段の生活を装った。実際にいつも通りの生活をして夫の帰りを待つ。康友が帰って来るとやはりいつも通りだった。
「御馳走様」
食べ終わると妻を避けて部屋に戻る。その時が来たと思った彼女は自分の部屋に戻って仕掛けた盗撮の状況を見る。見るとそこでは夫が寝巻きに着替えていた。もうシャワーを浴びて後は寝るだけなのだ。
着替えはこれまで彼女が知っているのと変わりがない。ズボンを脱いでそれから上着を脱ぐ。問題はその上着を脱いだ時だった。
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