第100話
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スマンの身体が白く固まり始めた!
「し、『塩の杭』……。かつてノーザンブリア北部を塩の海に変えた禁断の呪具……。私一人を始末するためにこんなものまで持ち出したのか!」
自分を白く固め始めている正体が『塩』である事に気づき、自分を『塩』へと変えたケビンの攻撃が何なのか悟ったワイスマンはケビンを睨みつけ
「あんたは少々やりすぎた。いくら教会が中立でも、もはや見過ごすわけにはいかん。大人しく滅びとき。」
睨みつけられたケビンは冷酷な目で『塩の杭』による侵食が進んで今にも命を落としそうなワイスマンを見つめた。
「おのれっ………狗があああっ―――――――!!」
そしてワイスマンをケビンを睨みつけながら完全に塩の像と化し、絶命した!
「狗か……。ま、その通りなんやけどね。………………………………。ヨシュア君、君は運がいいで。オレなんかと違ってまだまだやり直せるんやから。」
「ウフフ……それってジェラシー?」
ワイスマンの自分に向けた恨みの言葉を聞いて少しの間黙り込んでいたケビンがヨシュアと自分を比べて呟くとカンパネルラが塩の像とかしたワイスマンの傍に現れた。
「”守護騎士”第五位―――”外法狩り”ケビン・グラハム。うふふ……噂に違わぬ冷酷ぶりじゃない。」
「君は……たしか”道化師”やったな。悪いけど……彼の方は手遅れやで。」
「フフ……聞いてるかもしれないけど僕の役目は『見届け役』なんだ。計画の全プロセスを把握し、一片の例外もなく”盟主”に報告する。教授の自滅も単なる結果であって防ぐべき事態じゃないんだ。」
自身の組織の最高幹部が殺害されたにも関わらずカンパネルラは焦るどころか、不敵な笑みを浮かべて答えた。
「なるほどな……。”身喰らう蛇”―――まだまだ謎が多そうや。」
「フフ、君たち騎士団だってそれは同じだと思うけどねぇ。さてと……これで僕の役目も終了だ。落とし物も回収できたし、そろそろ帰るとしようかな。」
「なに……!?」
そしてカンパネルラが口にした不穏な一言にケビンが驚いたその時カンパネルラは指を鳴らした。すると塩の像と化したワイスマンは崩れ落ち、カンパネルラとワイスマンの魔導杖がカンパネルラの転移の炎に包まれた。
「あはは!それではどうもご機嫌よう!また次の機会に会えることを祈っているよ!」
「落し物って……まさか……。………………………………。まあいい……これ以上はオレの権限外や。急いでエステルちゃん達と合流せんとな……」
カンパネルラの最後の行動を考え込んでいたケビンはある事に気づくと信じられない表情で呟いたが、すぐに気を取り直してエステル達と合流するため急いで引き返していった。
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