第96話
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ってくれた姉さんのように。」
「…………ッ……………」
「ヨシュア………」
ヨシュアの話にレーヴェが僅かに驚いている中、ステラは優し気な微笑みを浮かべていた。
「そのことにレーヴェが気付いていないはずがないんだ。あんなにも姉さんを大切に想っていたレーヴェが……。だったら……やっぱりそれは欺瞞だと思う。」
「…………クッ………………」
ヨシュアの正論に返せないレーヴェは唇を噛みしめた後、鍔迫り合いの状態でヨシュアを後ろに押し返して、自分も一端後退した。
「カリンは特別だ!あんな人間がそう簡単にいてたまるものか!だからこそ―――人は試されなくてはならない!弱さと欺瞞という罪を贖うことができるのかを!カリンの犠牲に値するのかを!」
「だったら―――それは僕が証明してみせる!姉さんを犠牲にして生き延びた弱くて、嘘つきなこの僕が……。エステルたちと出会うことで自分の進むべき道を見つけられた!レーヴェのいるここまで辿り着くことができた!人は―――人の間にある限りただ無力なだけの存在じゃない!」
レーヴェの叫びに反論するようにヨシュアは決意の表情で叫んだ。
「!!!」
そしてヨシュアの言葉にレーヴェが驚いたその時、ヨシュアは一気に間合いを詰めて、連続で突きの攻撃をした後、最後に凄まじい一撃でレーヴェの剣を弾き飛ばした!
「あ……」
「はあっ……はあっ…………はあっ……はあっ……」
剣を弾き飛ばされたレーヴェは呆けた表情で、弾き飛ばされた手を見つめ、ヨシュアは疲労を隠せない様子で息を切らせていた。
「や、やった……」
「ヘッ……勝負アリ、だな。」
「歴史に残ってもおかしくない一騎打ちだったね……」
「ああ……まさかヨシュアが一人で”剣帝”に勝つなんてな……ハハ、いつの間にかとんでもないスピードで成長したな……」
「ヨシュア……」
一方戦いの様子を見守っていたエステルは呆け、アガットは口元に笑みを浮かべ、レイスとルーク、ステラは静かな笑みを浮かべていた。
「ふうっ……はあっ…………ふうっ……ふうっ……」
「俺に生じた一点の隙に全ての力を叩きこんだか……。まったく……呆れたヤツだ。」
「はあ……はあ……。……ダメ……かな……?」
先程の自分の戦いに呆れた様子で語るレーヴェにヨシュアは息を切らせながら訊ねた。
「フッ……。”剣帝”が剣を落とされたのではどんな言い訳も通用しないだろう。素直に負けを認めるしかなさそうだ。」
「…………あ………………」
「やったああああっ!」
そして苦笑しながら自身の敗北をレーヴェが認めたその時エステル達がヨシュアに
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