第94話
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なんて、不公平よ。レンは法律違反ギリギリな事をやっただけで、実際に犯罪を犯しているユウナの方がレンより明らかに悪い事をしているのに、何でレンの方が痛い方なのよ。」
「レ、レンちゃあん……」
「今は黙ってろって……」
頬を膨らませてエステルを睨むレンのエステルに対する指摘を聞いたティータは脱力し、ルークは呆れた表情で指摘した。
「エステルも……同じなんだ……痛がってるのに……ぜんぜん止めてくれなかった……ユウナを……ユウナに酷いことをした……あの人達と同じ……」
「同じかどうかはユウナが自分で考えてみて。どう……本当にそう思う?」
”生き地獄”同然の場所で生きていたかつての自分と周囲の人物達の事を思い出して呟いたユウナにエステルは優しい口調で問いかけた。
「…………………わから……………ない…………」
「だったら……これならどう?」
「………あ………」
エステルに優しく抱きしめられ、エステルのぬくもりを全身で感じていたユウナは呆けた表情をしていた。
「あたしは何も言わない……ユウナが自分の心で感じるままに判断しなさい。」
「…………………頭がモヤモヤしてなんだか良くわからないけど……こんな風に抱きしめられるのは……キライじゃない……かも……」
「そっか……」
ユウナの口から出た答えを聞いたエステルはユウナに自分の気持ちが少しは伝わった事に嬉しい気持ちになった。
「…………………………帰る…………」
「え……」
「”パテル=マテル”!関節部のアクチュエーターを止めてブースターのみで姿勢制御して!」
ユウナの指示によってパテル=マテルはブースターを起動させて滞空した後着地し、ユウナはパテル=マテルの片手に乗った。
「ユウナ……!」
「頭がこんがらがっちゃったから一人でゆっくり考えてみる……エステル達はこのまま屋上まで登っていけばいい……レーヴェが待ってるはずよ……」
「あ……」
「……そうか。教えてくれてありがとう。」
「大丈夫なの……ヨシュア?レーヴェってば本気で通せんぼするみたいだけど……」
「うん……わかってる。でも、僕の方ももう覚悟はできているから……だから、心配はいらないよ。」
ユウナに心配されたヨシュアは優し気な口調で答えた。
「そう……じゃあ、ユウナは行くわね。」
ヨシュアの答えを聞いて頷いたユウナが呟くとパテル=マテルは離陸し始めた。
「ユウナちゃん!?」
「ユウナ……待って!」
「………………」
それを見たティータとエステルはユウナを呼び止めようとしている中、ユウナと血が繋がっている双子の姉で
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