第93話
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重々しい様子を纏って答えた。
「ユウナ……そんな取引は間違っている。たとえ望んだ言葉を引き出せても本心が違っていたら何の意味も……」
「ヨシュア……いいの。ここは……あたしに任せてくれないかな?」
ヨシュアがユウナに指摘しようとしたその時エステルが制した。
「エステル……わかった……頼む。」
「……ありがと。それとレン、あんたも余計な口出しせずに黙っていてよ。あんたが口を出したら、ややこしい事になるし。」
「うふふ、エステルに任せた所で結果は一緒だと思うけど、ユウナを”結社”から抜けさせる事についてレンは余計な口出しをしないって約束したものね。―――ま、可能性は限りなくゼロに近いでしょうけど頑張ってね、お・ね・え・ちゃん♪」
「ぐっ……応援するならせめて、茶化さずに真面目な態度で応援しなさいよね……」
からかいの表情で自分を見つめるレンに唸り声を上げてジト目で指摘したエステルは気を取り直して前に出てユウナと対峙した。
「うふふ、やっとその気になってくれたみたいね?さあ、まずはエステルが言ってちょうだい。ユウナが”結社”にいることは間違ってなんかいないって。」
「ユウナ………甘ったれるのもいい加減にしなさいよね。」
「………え。」
エステルの口から出た予想外の答えに驚いたユウナは呆けた表情をした。
「世界はユウナを中心に回っているわけじゃないわ。ユウナのために都合よく変わってくれるものでもない。たとえユウナが、物凄く大きな力を持っていったとしても……あの大きなパパとママ(パテル=マテル)が助けてくれたとしても……それでも……人の心までは自由にはできない。」
「……………………」
(う”っ……地味に効くぜ、エステルの今の言葉……昔の俺はユウナ以上に我儘な奴だったからな……)
(ま、まあまあ……今の貴方は昔とは比べものにならないくらい見違えていますから、気にする必要はありませんよ。)
エステルの主張を聞いたユウナが真剣な表情でエステルを見つめている中、エステルの主張で過去の自分を思い出して疲れた表情になって小声で呟いたルークをイオンは苦笑しながら慰めの言葉をかけた。
「ユウナに結社にいて欲しくないのはたしかにあたしのエゴかもしれない。だから無理強いするつもりはないけど……でも、できればユウナ自身に気づいて欲しいと思う。いつでもヨシュアみたいに後戻りができるんだって……」
「……エステル………」
「……………そう………………せっかくチャンスをあげたのに棒に振っちゃうんだ……救いようのない大バカねぇ。」
そしてエステル達を殲滅する事を決めたユウナは大鎌を空に掲げてパテル=マテルを呼び、その
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