プロローグ
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城・空中庭園〜
「あ……」
空中庭園に到着したエステルはヨシュアの告白を聞いた同じ場所にいる軍服姿のカシウスを見つけた。
「エステルか。」
「と、父さん……」
エステルはカシウスに走って近付いた。
「あのね、大変なの……!」
「判っている。ヨシュアは……行ってしまったようだな。」
慌てて事情を話そうとするエステルの次の言葉がわかっていたようにカシウスは答えた。
「ど、どうして……。なんで父さんが知ってるの……?」
「昨日、軍議から帰ってきたらサエラブがお前を背に乗せて部屋に向かっていた。それを俺がサエラブから受け取った後、まさかと思い俺とヨシュアの部屋に向かった。
そしてテーブルにはあいつの書き置きが残されていた。それで大体の事情は分かるさ。」
「だ、だったら!だったらどうしてこんな所でノンビリしてるの!?早くヨシュアを捜さないと―――」
「止めておけ。」
慌てているエステルをカシウスは遮った。
「え……」
「あいつが本気で姿を消したらたとえ俺でも見つけるのは無理だ。5年前、あいつに狙われた時、俺もかなり苦戦させられたからな。」
「………………………………あたし……今までずっとこの質問はしなかったけど……ヨシュアって……何者なの?」
ヨシュアの事情を全て知っていそうなカシウスにエステルは尋ねた。
「………………………………。『身喰らう蛇』―――そう名乗っている連中がいる。『盟主』と呼ばれる首領に導かれ、世界を闇から動かそうとする結社。ヨシュアはそこに属していたらしい。」
エステルに尋ねられたカシウスはしばらくの間黙っていたが、エステルに背を向けて答えた。
「『身喰らう蛇』……」
「正直、遊撃士協会でも実態が掴めていない組織でな。世間への影響を考えてその存在は半ば伏せられている。だが、それは確実に存在し、何かの目的を遂行しようとしている。……今回のクーデターのようにな。」
「そ、それって……あのロランス少尉のこと!?」
カシウスの説明を聞き、思い当たった人物がいたエステルは慌てて尋ねた。
「ああ、間違いあるまい。もっとも、関与していたのはその少尉だけではなかったはずだ。……ある意味、ヨシュアも協力者の1人だったようだからな。」
「ちょ、ちょっと待って……。それってどういう意味!?」
カシウスの話を聞いたエステルは信じられない表情で驚き、尋ねた。
「書き置きに書かれていた。ヨシュアはこの5年間、遊撃士協会に関する様々な情報をその結社に流し続けていたらしい。どうやら、自分でそれと知らずに報告する暗示をかけられていたそうだ。」
「そ、
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