第121話
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っぱり自覚しちゃったわけね。ヨシュアのこと……好きになっちゃったんでしょ?」
「……うっ…………………………や、やっぱり分かっちゃう?」
シェラザードの言葉に顔を赤くしたエステルは聞き返した。
「悪いけど、丸わかりよ。でも、その様子じゃ、ヨシュアにはちゃんと伝わっていないみたいね。」
「うん……そうだと思う……。ヨシュアって、こういうこと昔からニブいところあったし……。ってあたしも人のこと言えないか。」
「ああもう、初々しいわねぇ。あの花よりダンゴだったエステルがよくぞここまで……。おねーさん、感激しちゃうわ!」
恋のカケラも感じさせなかった妹分の初恋にシェラザードは喜び、茶化した。
「……もうシェラ姉にはこんりんざい相談しない……」
茶化されたエステルはジト目でシェラザードを見て呟いた。その呟きを聞いてシェラザードは謝った後、真剣にエステルの相談に乗った。
「ウソウソ。からかって悪かったわ。でも、そうね……。考えてみれば、あんたたちは思春期に入る前に出会ったのよね。なかなか、お互いの気持ちに気付かないのは仕方ないか……」
「そ、そういうものなのかな……。あたしは、旅をしてる最中にちょっとしたきっかけで意識して……。い、いちど、気になりだしたらどんどん意識するようになって……。ああもう、こんなのあたしのキャラじゃないのに〜!」
「ふふ……。咲かない蕾はないってね。女の子はみんなそういうものよ。」
「シェラ姉……」
自分の悩みに真剣に考えてくれるシェラザードにエステルは感激した。
「あまり軽率なことは言うつもりはないんだけど……。覚悟が決まってるなら打ち明けた方がいいんじゃない?ふんきりがつかないのならちょっと占ってあげよっか?」
「ううん……。実はもう、覚悟が決まってるの。話を聞いてもらう約束もしたし。」
不安を取り除くためにシェラザードは占いの提案をしたがエステルは首を横にふって断った。
「そっか……。よし、それでこそあたしの妹分!ああもう!おねーさん、泣けてくるわっ!」
「それはもうええっちゅーねん。でも、ありがと、シェラ姉。なんだか少し勇気が出てきたわ。あたし、ちょっとヨシュアのところに行ってくるね。」
またもや自分を茶化したシェラザードに突っ込んだエステルはヨシュアのところに行くことを言った後、シェラザードに励ましの言葉を受け部屋を飛び出した。
「……初恋かぁ……。うまく行くといいんだけどね……」
エステルが部屋を飛び出すのを見送った後、シェラザードは一枚のタロットカードを見て、複雑そうな表情で呟いた。
〜グランセル城内・廊下〜
「あ、ママ!」
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