第119話
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て軍を辞めることができたのだぞ!?」
「た、大佐……」
カシウスの言葉にリシャールは驚いてカシウスを見た。
「俺は……そんなに大層な男じゃない。10年前も、将軍やお前たちが助けてくれたから勝つことができた。そして、肝心な時に大切なものを自分で守る事ができずあやうく失う事をしてしまい、二度とその過ちをしないために現実から逃げてしまった男にすぎん。」
「……父さん……」
エステルはもし、あの時リウイ達がいなかったら母がどうなったかを考え悲しげな表情をした。そしてカシウスは決意の表情で話を続けた。
「だがな……もう二度と逃げるつもりはない。だから、リシャール。お前もこれ以上逃げるのはよせ。罪を償いながら、自分に何が足りなかったのかを考えるがいい。」
こうして、情報部によるクーデター計画は幕を閉じた。モルガン将軍とシード少佐によって王国軍部隊の混乱は収拾され……計画に荷担していた情報部の人間は各地で次々と逮捕されていった。そして数日後………
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