第119話
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っきり可愛くて素直な娘じゃないか。…………よろしくな、ミント。」
「えへへ………」
ミントを紹介されたカシウスは笑った後、ミントの頭を撫でた。そしてその後、博士達を見た。
「おお、博士。ずいぶん遅い到着ですな。」
「お前さんが先行した後、人形の群れに囲まれてな。何とか撃退してからようやくたどり着いたが……。どうやら……全て片づいたみたいじゃな。」
博士は周りの状態を見て、安心して溜息をついた。
「ええ……。色々と課題は残ったがとりあえず一件落着でしょう。」
「で、でも……。情報部に操られた大部隊がお城に迫ってるんでしょ。女王様、大丈夫かな………?」
「確かに……。警備艇も来ていたみたいだし。父さんが来た時、地上の様子はどうだった?」
エステルとヨシュアは地上の様子が気になり、カシウスに聞いた。
「ああ。その事ならもう心配ないぞ。モルガン将軍に頼んで事態を収拾してもらっている。シードにも動いてもらったからじきに騒ぎは沈静化するだろう。」
「あ、あんですって〜っ!?」
カシウスの手際のよさにエステルは驚き叫んだ。
「ふふ……なるほどな……。ここに来るまでに仕込みをしていたわけか……」
トロイメライの腕から脱出したリシャールは膝をついて自嘲気味に笑った。
「……目を覚ましたか。」
カシウスは気絶から覚めたリシャールに気付いてリシャールの方に体を向けた。
「モルガン将軍には厳重な監視をつけていた……。シードも家族を人質にとって逆らえないようにしていた……。どちらもあなたによって自由の身になったわけですか……」
「まあ、そんなところだ。だがな、リシャール。俺がしたのはその程度のことさ。別におれがいなくたって彼らは自分で何とかしたはずだ。」
「いや……違う。やはりあなたは英雄ですよ……。あなたが軍を去ってから私は……不安で仕方なかった……。今度、侵略を受けてしまったら勝てるとは思えなかったから……。だから……頼れる存在を他に探した。あなたさえ軍に残ってくれたら私もこんな事をしなかったものを……」
カシウスの言葉をリシャールは否定するように、顔を横にふって悲痛な表情で呟いた。
「………………………………」
リシャールの呟きを聞いたカシウスはリシャールに近づき、拳で思いきり殴り倒した。
バキッ!!
「ぐっ……!」
殴られたリシャールは倒れたまま、殴られた部分の痛みに呻いた。
「甘ったれるな、リシャール!貴様の間違いは、いつまでも俺という幻想から解き放たれなかったことだ!それほどの才能を持ちながら、なぜ自分の足で立たなかった!?俺はお前がいたから安心し
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