第111話
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ロ―ゼは遠慮がちにデュナンを許すよう言った。
「くっ、こうなったら陛下を盾にするしか……。……ええい、ままよ!」
そしてデュナンがエステル達から逃げて女王を人質にしようと、走り出した時、階段の手すりに顔を思いっきりぶつけてしまった。
「ぎゃうっ……」
手すりに思いっきりぶつかってしまったデュナンは呻き声をあげた後、気絶した。
「あちゃあ……。ちょっと脅しすぎたかも。」
エステルは気不味そうな顔をした。
「まあ、邪魔したのは事実だし、いい薬になったんじゃない?」
「そうだよ!」
「当然の報いね!」
「フフ……ま、面白いぐらい怖がってくれたから、許してあげるわ♪」
シェラザード達は同情している様子はなかった。
「はい……。不幸な事故だと思います。でも、気絶した小父様をこのままにしておくわけにも……」
クロ―ゼは気絶したデュナンをどうしようか悩んでいた所
「……こ、公爵閣下!?」
フィリップが慌てた様子でデュナンに近寄った。
「あ、フィリップさん!」
エステルはフィリップを見て声をあげた。
「エステル様……。それにクローディア殿下……。それに貴女はカーリアン様!この度は、我が主が迷惑をおかけして申しわけありません!全ては、閣下をお育てしたわたくしの不徳の致すところ……。どうか、これ以上の罰はわたくしめにお与えくだされ!」
フィリップはエステル達に向かって頭を深く下げた。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
頭を下げられたエステルはどうすればいいかわからず慌てたが
「フィリップさん……どうか頭をお上げください。私たちは、お祖母さまを……陛下をお助けしに来ただけです。もとより、小父様に何もするつもりはありません。どうか、私の部屋で小父様の手当てをしてあげてください。」
「で、殿下……」
エステル達の代わりにクロ―ゼが寛大な処置を命じた。
「実際、大した傷はないわ。ぶつかったショックで気絶しているだけだから大丈夫。」
「ミント、もう怒っていないよ!」
「面白いものが見れたから、別にいいわよ♪」
「みなさんが許しているのだから、天使のニルが怒るわけにもいきませんわ。」
「み、皆様……本当にありがとうございます。このご恩、決して忘れませんぞ!」
エステル達の寛大な心に感動したフィリップはデュナンをクロ―ゼの部屋へ運んで行った。
「カノーネ大尉!?しっかりして下さい!おい、こっちにも侵入者がいるぞ!」
その時特務兵の声が女王宮の外から聞こえて来た。
「げっ。気付かれちゃったわ!」
「不味いわね………女王陛下を守っている特
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