第111話
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〜女王宮内〜
カノーネ達を倒した後、入口を守っていた特務兵を一瞬で倒したエステル達は女王がいるはずの女王の寝室に向かおうとした時、特務兵に守られながら歩いて来る今回のクーデターでリシャールに王座につけるという言葉にまんまとのせられた女王の甥ーーデュナン公爵が通りかかり、エステル達を見て驚いた。
「は、反逆者ども!のこのこと来おったな!?私を新たなる国王と知っての狼藉か!?」
「冗談は髪型だけにしなさいよ。あんた、まだ国王になったわけじゃないでしょ!」
「そうだよ!それにおじさんが王様になっても、誰も喜ばないよ!」
「な、なぬう!?」
デュナンはエステルとミントの言葉を聞いて、怒った。
「デュナン公爵閣下ですね。私たちは遊撃士協会の者です。クローディア殿下の依頼で女王陛下の救出に来ました。大人しくそこを通してくれるとこちらも助かるんですけど。」
シェラザードは公爵にその場をどくよう笑顔で警告した。
「ク、クローディアだと!?あの小娘……余計なことをしおって!!」
「デュナン小父様……。もう、終わりにしてください。小父様はリシャール大佐に利用されていただけなんです。」
「な、何だそなたは……。………………………………」
見知らぬ少女に小父と呼ばれた公爵はわけがわからず、クロ―ゼをじっとよく見てある人物に似ている事に気付いた。
「ク、ク、ク、クローディアではないか!なんだその髪は!?その恰好は!?」
デュナンはクロ―ゼを指差しのけ反りながら驚いて叫んだ。
「やっと気付いたのか……。こりゃ、ルーアンで会った時も気付いてなかったわけだわ。」
エステルはデュナンの様子を見て呆れて溜息を吐いた。
「よく判らないけど、ずいぶんと抜けた人みたいね。」
「典型的な貴族の小物ですわね。」
「この様子だと私の事も知らなさそうね。」
「あの、黙っていた私が悪かったんだと思います……それにカーリアン様を知らないのは仕方がないと思います。カーリアン様はリベールとメンフィルの会談にはいらっしゃいませんでしたから……」
シェラザードとニルのデュナンに対する低い評価や呆れている様子のカーリアンを見て、クロ―ゼは公爵を少しだけ庇ったが、色々言われた公爵は怒りの表情で叫んだ。
「こ、この私をよくもたばかってくれたな!これだから女という生き物は信用がおけんのだ!小狡く、狭量で、ささいな事ですぐ目くじらを立てて……。そんな下らぬ連中に王冠を渡してなるものか!」
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