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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン47 鉄砲水と分岐の英雄
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「……もういいぜ、清明。お前がどうしても言いたくないなら、きっと何か理由があるんだろ?ならもう言葉は必要ない、その代わり、俺とデュエルだ!デュエルをすれば、きっとわかりあえる。俺はそれを信じてるし、これからも信じたいんだ。だから、せめてお前の魂を俺に見せてくれ。それができるのがデュエル、そうだよな?」

 あの夢のラスト、あのシーンを現実にしたくないならば、このデュエルを受けなければいい。そうすれば今までほとんどあの夢通りに動いてきた十代との会話も、まったく違った方向に行けるはずだ。
 だけど、僕にはそれができなかった。まず第一に、僕自身のことがある。ここでこの誘いを断るというのは、夢のことを知らない立場から見れば僕に何かやましいことがあると思われても文句は言えない。僕がコブラと通じていたのではないということを納得させるためには、十代の言うとおりデュエルを通じて魂をぶつけ合うしか方法はないだろう。それに、やっぱり十代の顔を見ていたら、断ることなんてできなかった。佐藤先生との間にいったい何があったのかは見当もつかないが、夢で見たよりも数倍ひどい顔だ。こんな状態で突き放すなんて真似、友人として僕にはできそうにない。

「……わかった。いいよ十代、一丁デュエルと洒落込もう」

 目標はひとつ、あのラストターンの盤面から外れた結果を作ること。こんなこと意識しながらデュエルしたことはこれまでないけれど、ぶっつけ本番でやってみるしかないだろう。デュエルディスクを構え、示し合わせたようにステージの両端に分かれて立つ。

「「デュエル!」」

 夢で見たとおり、先攻は十代だった。相変わらず、僕の手札に妨害札はない。さあ、もうどんな手で来るかはわかってるんだ。

「最初から飛ばしていくぜ!魔法カード、コンバート・コンタクト発動!このカードは俺のフィールドにモンスターが存在しない時、手札とデッキからそれぞれNを1体ずつ墓地へ送ることでカードを2枚ドローする。手札のフレア・スカラベと、デッキのアクア・ドルフィンを墓地へ送るぜ。そしてクレーンクレーンを召喚して、そのまま効果を使うぜ。このカードは召喚に成功した時、墓地に存在するレベル3モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚できる!甦れ、アクア・ドルフィン!」

 クレーンクレーン 攻300
 N・アクア・ドルフィン 守800

 あの時と同じ手順で、2体のモンスターが場に揃う。とくれば、次の手は手札のあのカード、そして進化からのコンタクト融合だろう。はたせるかな、その予感はすぐに現実となった。
「魔法カード、ヒーロー・マスクを発動!このカードは発動時にデッキのHEROを墓地へ送ることで、場のモンスター1体をその同名カードとして扱うことができる。これで俺は、クレーンクレーンをネオスに変更す
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