ターン47 鉄砲水と分岐の英雄
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こうしてぴんぴんしているのだから。
「ほう?監視カメラが壊れたのは知っていたが、まさかもう脱出に成功していたとはな。オブライエンから荷物を取り上げなかったのは失敗だったか。まあいい、どの道デュエルエナジーの枯渇したお前では立っているのもやっとだろう。そんな程度では足りない、私の興味があるのは遊城十代、お前ただ1人だ。私をデュエルで止めるのだろう?デスデュエルで、なぁ?」
「ああ、やってやるぜ!」
「……!」
駄目だ、十代。ここで勝っても負けても、どのみちコブラの思う壺になってしまう。コブラの狙いはただ1つ、デスベルトを通じて得られるデュエルエナジー。僕とコブラのデュエルのせいで溜まったデュエルエナジーがどれほどの物かは知らないが、あの謎の声は確かに『もう少し』だと言っていた。今でさえ不意打ちに近い形だったとはいえチャクチャルさんをも退けるほどの力を持ったそいつが、十分なデュエルエナジーを得たらいったいどうなってしまうのか。
それを警告しないといけない。どうにかデュエル以外の方法で、コブラを止めなくてはいけない。それを言おうとするのに、なぜか口が開かない。異変を横にいる皆に伝えようとしても、体全体がピクリとも動かない。1人でこの金縛りから抜け出そうともがいていると、再び頭の中で例の声がした。
『いい加減しつこいねえ……今はそれどころじゃないから命は取らないけど、このデュエルが終わるまでは眠っていてもらうよ』
その言葉を最後に、ゆっくりと視界が暗転していく。すでにステージでは、十代とコブラがデュエルディスクを構えていた。
「……おい!おいったら!」
「んー……」
耳元で誰かの叫び声が聞こえ、そのうるささに目を覚ます。
「何さ……十代?」
いった後ではっとした。この頭上に広がる空、そしてこのシチュエーション……ひどく似ている、あの夢と。
「コブラは、一体?」
ふと思いついたことを聞いてみる。もしあの夢の通りだとすれば、この後に続く返事は恐らく……。
「そうか、お前は気絶してて見てなかったもんな。たった今俺がコブラとデュエルして、俺が勝ったと思ったら突然光る人間みたいなのが現れてよ。それを追っかけたコブラがいなくなっちまったんだ。ヨハンたちが探しに行ってるけどな」
「っ!」
一言一句違わない、十代の言葉。まさか、本当にあの夢の内容を今現実でなぞりつつあるのだろうか。
そしてその予感は、すぐに確信に変わった。佐藤先生の名前、そしていくら呼びかけても聞こえない精霊たちの声。恐らくは、あの謎の声の主が何か仕掛けたのだろう。……そして、話は核心部分へと移行する。
「頼むから教えてくれよ、一体なんでお前が俺らより先にここに来てたんだ?」
「そ、それは……
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