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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン47 鉄砲水と分岐の英雄
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のスピードではちょっと間に合いそうにない。特に示し合わせたわけでもないのだが、僕もオブライエンも同じことを考えていたらしい。悠長に降りる方法を考えるわけでもなく、ほぼ同時に天井から飛び降りた。

「十代、そこどいて!」
「清明!?それにお前、オブライエン!」

 オブライエンが落下しながら上着の内ポケットに手を突っ込み、今度は小型の拳銃のようなものを引っ張り出す。それを防火扉めがけて引き金を引くと、銃口からワイヤーが勢いよく打ち出された。その巻き上げの力を利用して、オブライエンがターザンのように最短コースで扉にたどり着いた。そして両腕を上に伸ばし、筋肉に力を込めて降りてくる扉をがっしりと受け止める。

「くっ……!早く行け、十代!そしてコブラを止めるんだ!」
「2人とも、なんでここにいるんだ!?」
「んなもん後で話したげるから!手伝うよ、オブライエン!」

 やはり1人の力で支えるには無理があったらしく、オブライエンがどれだけ腕に力を入れても少しづつ、だが確実に床と扉の差は縮まっていく。その間に体を滑り込ませ、こちらに向け走ってくる十代達のために重たい鉄の扉を押し上げる。両腕にずしっとくる重みは流石に並の物ではなく、2人がかりでもじわじわとこちらが押されてるのがわかる。

「早く!」
「よ、よくわからないけどわかったドン!皆、行くザウルス!」

 最初に我に返った剣山の号令のもと、1人また1人と扉の向こう側に抜けていく。そして最後に、十代だけが残った。まだどこか呆然とした様子で、ゆっくりと扉をくぐる。完全にくぐりきってもなお、十代はその場に残っていた。

「オブライエン、お前はコブラの味方じゃなかったのか?」
「……俺とお前は、出会い方が悪かった。それだけのことだ。さあ、早くしろ。そしてコブラを止めてくれ。それと……コイツのことも頼む」

 言いざまにオブライエンが両手を離し、急に姿勢を低くしてローキックを繰り出した。普段の状態ならなんとか見切れたかもしれないが、なにせ今は頭上に全神経を集中させている。そんな状態ではどうすることもできず、一撃を喰らった僕の全身のバランスが一気に崩れた。

「オブライエン、何を……!」
「ここでこうすることが俺の犯した罪への罰なら、俺は潔くそれを受け入れる。だが、お前までそこに着きあわせることはない。達者でな、清明」

 何か言おうとしたけれど、もう声が出なかった。十代が倒れた僕の足を引きずり、扉の向こう側へと引き上げる。その直後、分厚い鋼鉄の扉が床にがっしりと落ちきった。

「オ、オブライエン……」
「早くしろ十代!こっちの扉も閉まるぞ!」

 感傷に浸っている暇もなく、ヨハンの声が響く。見ると、確かにこの通路にも上から鉄の扉が降りてきている。

「クッ……走
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