暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン47 鉄砲水と分岐の英雄
[2/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ってしばらくは確認もしに来ないだろう。もうすぐ十代達もこちらに乗り込んでくるならば、なおさらだ。とりあえず、この床から手を付けてみるか。このレンガを剥がして脱出できないかやってみるぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ。まだこっちには聞きたいことが残ってる!」

 今度は足についたベルトからお好み焼きに使うヘラのような物を取り出すと、その先をレンガの隙間にねじ込む作業に入ったオブライエン。いかにもしぶしぶといった様子で頭を上げ、なんだ?という様子でこちらを見上げてくる。

「結局のところ、オブライエンは何者なの?コブラと敵対してるってのは本当?だとしたら、一体何があったっての?それから……」
「お前の疑問はもっともだ。だが、その疑問に全て答えることはできない。それに、仮に俺がお前の敵だとしても、少なくともここから出るという目的だけは一致している。この場で全てを聞き出そうというのは、かかる時間を考慮しても得策ではないはずだ」

 ケチのつけようもない正論を前に、何も言い返せない。確かに、オブライエンがここからの脱出を図っているのは明白。僕も当然、ここからさっさと抜け出したい。オブライエンの真意がどこにあろうと、少なくともここから脱出するところまでは協力する利点が十分にある。
 ……確かにその通りなんだけどさあ。全くもっておっしゃる通りなんだけど、なんかもやもやする。大体、もしオブライエンが実はコブラ側で、ここにいるのも僕を騙すためだったりしたら?仮にここから出て十代達と合流できたとしても、むしろ皆のところにこの実力者オブライエンを、厄介な敵を案内するだけになりかねない。

「う……じゃあせめて、これだけ教えて。今の時間って、わかる?」
「そうだな……俺の感覚が確かなら、そろそろ朝の8時ごろになるはずだ」
「8時ぃ!?じゃあ何、僕はここで4時間近くぐっすり寝てたっての!?」
「何度か起こそうとはしたんだがな、完全に気を失っていたからな」

 今が8時となると、ここでいつまでも悩んでいるのは何よりも最悪な選択だ。PDFは気絶している間にコブラに取られたようで気づいた時には無くなっていたが、予定通りに事が進んでいるならばいつ十代達がここに現れても不思議ではない。オブライエンを信じるか、それとも信じないか。色々難しいことを考えたところで、結局はその2択でしかないわけで。
 なら、僕の返事は決まってる。

「よっ、と……!」

 その場にうずくまり、足元のレンガに指をかける。こちらを見てくるオブライエンにウインクして指に力を込め、手をかけたレンガを床から引きはがした。目を丸くするオブライエンの視線を感じながら、ぽっかりと空いたその穴をさらに広げにかかる。ダークシグナーとして生まれ変わった、というか生き返った際に得た身体能力の底上げによる
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ