外伝 憂鬱センチメンタル Part.2
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ったっけ!?」
「大丈夫。子供たちも懐いていますし、ね?」
「バツイチみたいな生々しい言い方は止めろぉ!!」
「恋愛結婚よりお見合い結婚の方が離婚率が低い。案外、いい夫婦になれるかも……♪」
「打算的なことを言いつつ頬を赤らめるなぁ!!」
つまり、この時からアスフィは……極めて打算的にヴェルトールの事を狙い始めたのである。
= =
「つまり……政略結婚から逃走しているのですか?」
「んんん、端的に言うとそう言う事になるの……カナ?」
ヴェルトールはいろいろと細かい部分(主に人形やスキルを匂わせる部分)を大胆に端折りつつ、事のあらましをメイド達に語った。なんとこの軽薄そうな男がどっかの物語に登場する良家のお嬢様みたいな理由で逃走しているとは予想外だ。
「じゃあさ、なんでヴェルトールは女の子大好きなのにアスフィさんからは逃げちゃうわけ?仲悪くもないし、アスフィさんって美人じゃない?結婚したがるならともかく嫌がる理由が分かんないよ?」
「そりゃ、まあ。アスフィはいい奴だし、正直ドキッとすることも少なくないのは認める」
「じゃあ問題なくない?」
「それは、そうなんだが……その………」
もごもごと口ごもるヴェルトールに、メイド達は困惑した。彼はいつも自分の感情にドストレートで1分以上やりたいことを我慢できない多動な男だ。そんな男がこんなにも口ごもるとは……というより彼に口ごもるという現象が起きていること自体が衝撃である。
「呆れないで聞いてくれるか?」
「うんうん、呆れない呆れない」
「みんな真剣に聞くニャ」
ヴェルトールは躊躇いがちに小さな声で呟く。
「なんか、アイツと結婚しちゃったらアスフィ抜きで生きられない超ダメ人間に調教されそうで怖いんだ……」
………何を言っているんだコイツ、という言葉をリュー達は呑み込んだ。ヴェルトールの表情が割と真剣に怯えていたからだ。
「アイツ人の好きな部分全部知ってて突いてくるんだ。この前ちょっと昼寝してたらいつの間にか添い寝してて、しかも俺の弱点の尻尾の付け根を絶妙な力加減で撫でてきてさ………ゴハンとかも俺が大好きな料理とかピンポイントで食べさせようとするし、隙あらば俺に甘えてくるし………正直さ、あざといなって思う時もあるんだよ。だけどそのあざとさの合間合間に本当の好意が見えて、しかも可愛いからさ……段々結婚してもいいかなって思えてきて……で、ある時ふと『俺ってアスフィに籠絡されてんじゃね?』って思うと、心が操作されてるような気分に………」
冷や汗がダラダラ零れ落ちるヴェルトールは、まるで人間の極限状態にいるかのようにヒステリックに頭をかきむしって蹲る。
「こ、この前何気なくすっと『これにサインしてください
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