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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
外伝 憂鬱センチメンタル Part.2
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自立人形(レアリア)であるドナとウォノからすればアスフィは定期的に遊びに来てくれる優しいお姉さん。つまり戦闘に付き合うより彼女に出会う事の方が優先順位として高かった。そうすると必然的にこの子たちはアスフィが来る日は家で全力待機な訳で、それに追従する形で俺も待機しなければならない。

 そしてある日、スクープを探し回っていた『新聞連合』の一人が俺とアスフィが頻繁に出会っていることをすっぱ抜いて新聞に晒しやがったのだ。

「これはちょっと困るわぁ……」
「そうですね。私と貴方はそういう関係ではないのですが……下手に変な噂が広まると面倒です。ここはアルル様とヘルメスのヤロ……もとい、ヘルメス様の連名で事実無根であると証明してもらいましょう」

 という事で2ファミリアの話し合いが始まったのだが……考えてみればこの神共、地上でも屈指の暇神である。そう、ここで神共が自重しない悪癖でとんでもない事を言い始めたのだ。

「ヘルメス………もし貴方の所のアスフィがウチの子をオトせたら……『改宗』でヴェルをそっちに移籍させてもいいわよ?」
「なんだいそれ、すごく面白そうじゃないか!!彼が来てくれるんならウチのファミリアは大助かりだよ!!」

 しかも二人は結構気が合うタイプの存在同士。会議によって知り合った二人は見る見るうちに意気投合し、とうとう事実無根どころか既成事実を作る話に発展してしまっていたのである。
 しかも、アスフィの部屋にはヴェルトールお手製の彫像などが飾ってあり、彼女はそれを笑顔で他の面々にも紹介していたために「あれ、実はマジな関係なのでは?」と勝手に勘違いする始末。彼女のからかいが完全に裏目に出てしまい、二人は追い詰められた。

 ………かに見えたのだが。

「ヴェルトールと結婚………よく考えてみたらデメリットはないわね?」
「ファッ!?」

 世の中何も恋愛結婚が全てではない。むしろ冒険者の結婚にはファミリア絡みで政略結婚が絡む場合も多い。アズ曰く「さながら戦国時代」………協力関係を結ぶために互いの信頼あるファミリアを交わらせ、予め子供の数と所属ファミリアまで決めておくことで下手に裏切れない契約以上の繋がりを持つことは実際にある。

 その観点から物事を整理するとこうだ。

 まず結婚相手の位だが、ヴェルトールはアルル・ファミリアの副団長であり個人工房を持つことを許されるほど主神アルルから信頼されている男だ。実力も実質的には現団長以上であり、レベルも4と釣り合っている。団長であるアスフィと立場的には対等に近いだろう。

 次に製造業のメリット。造形師として超一流の技量を持つヴェルトールから協力を得られればヘルメス・ファミリアの商品のブランドイメージは更に高まるだろう。また、アルル・ファミリアとの共同開発で
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