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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
外伝 憂鬱センチメンタル Part.2
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スフィ様に追いかけられているのですか?見た所では恨みを買ったとかそう言う事ではなさそうですけど……むしろその逆みたいでしたよ?」
「タラした……という事でもないのでしょう?貴方は女性と言葉遊びはしても女性で遊ぶことはしない男だ」

 シルの質問にリューも頷く。ヴェルトールはあくまでお喋りが好きなのであって、女性に性的なスキンシップや誘いは決してしない。容姿を褒めたり頬を突っついたりする程度の事はするが、いわゆる「男女の仲」に話を持って行くのを彼女たちは見たことがない。
 そんな周囲の目線にヴェルトールはあまり言いたくなさそうな表情をするが、観念したようにやれやれと首を振った。

「正直ちょっと関わりたくなくてさ、避けてんのよ……」
「アスフィさんってこの街でもトップランクに入る美女だよ?そんな美人から何で逃げちゃうのさ?なんか昔に悪い事でもしたの?」
「………まぁ、ここだけの話なんだけど。俺、実は冒険者登録した時期がアスフィと近いっつうか、事実上の同世代冒険者なんだよね。余所のファミリアではあったけど、互いに切磋琢磨し合ったんだぜ?アイツは神秘を、俺はどっちかというと造型術で畑違いだったけどな」
「ええっ、なんか健全な関係で意外!」
「俺がいつ不健全になったってんだよ……」
「たまにパンツ覗こうとするじゃん。不健全っていうか、不潔?」
「それは造形師としての研究の為だから――」
「死ねば?」
「貴方って最低の屑だわ!」
「ダンジョンで魔物に喰われちゃえばいいのに」
「ひ、ひどい……!」
「いやー今のはどんな角度から見てもアンタが悪いってー……」

 ボロクソに貶されて項垂れるヴェルトールだった。
 言うまでもないが、完全に自業自得である。

「会ってあげればいいのに。何か不都合でもあるのですか?」
「まさか根無し草の風来坊気取って『一人の女だけは愛さねぇ!』なんて理由でもないでしょ?」
「そう言う訳じゃないんだけどなぁ〜………」

 彼にしては珍しく歯切れの悪い言葉だ。

「ホント、どうしてこうなったんだろうな……」



 = =



 俺は『完成人形』のせいで数年間もの間、人として再起不能に陥った。
 そんな折に再開して沢山声をかけてくれたアスフィは、人生でも指折りの恩人だ。

 そんな彼女との関係が拗れはじめたのはいつの日だったか……。

 そう、あれは「『万能者』と『人形師』実は付き合ってるんじゃねーの報道事件」に遡る。
 当時のアスフィは多忙の身でありながら定期的にファミリアの仕事を抜け出しては俺の工房へ訪れていた。その頃の俺と言ったら完全にやってなかったアルル・ファミリアの仕事を再開し、自分の芸術スキルを戦闘に応用しながらドナとウォノを育成中だった。
 しかし
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