第三章
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「息が出来るしこうして海の中まで普通に見えるなんて」
「不思議だね」
「私の仙術です」
それでとです、二人を乗せている亀が答えました。
「それでなんです」
「僕達はだね」
「はい、息が出来てです」
そしてというのです。
「海の仲も見られます」
「そうなんだね」
「そうです、それじゃあこのままです」
「海の中を進んでだね」
「竜宮城に行きましょう」
「それじゃあ」
こうしてでした、太郎とお母さんは二人で、です。
亀に竜宮城に案内されました、竜宮城は珊瑚や貝殻で飾られたとても奇麗な場所です。
その中に案内されるとです、とても奇麗な服を来た奇麗な人達が出迎えてくれました。
「竜宮城の侍女の方々です」
「この女の人達がだね」
「はい、それで」
亀は太郎にさらに説明します。
「このお城の主は乙姫様といいまして」
「お姫様かな」
「はい、そうです」
そうした立場の方だというのです。
「その方もお待ちですので」
「じゃあご母堂とですね」
「僕よりもね」
それこそというのです。
「おっ母に喜んでもらうよ」
「それでは」
こうしたことを話してでした、太郎はお母さんと一緒にです。そのとても奇麗で夢みたいに華やかな服を着た乙姫様とも会いました。
そしてです、乙姫様にも言うのでした。
「おっ母を楽しませて下さい」
「あの、亀から話を聞きましたが」
乙姫様は驚いて太郎に言葉を返しました。
「亀を助けたのは貴方ですね」
「はい、そうですが」
「では貴方に楽しんでもらうのですが」
お礼にというのです。
「そうなりますが」
「いやいや、僕はお礼は嬉しいですが」
「それ以上にですか」
「僕を育ててくれたおっ母が楽しんでくれたら」
「それで、ですか」
「満足なんです」
こう言うのでした。
「ですから」
「貴方よりもですか」
「おっ母に楽しんでもらいたいのです」
「わかりました」
太郎の言葉を聞いてでした、乙姫様は。
考えるお顔になってです、こう太郎に言いました。
「ではお二人に楽しんでもらいます」
「僕にもですか」
「はい、そうしてもらいます」
是非にというのです。
「そうさせてもらいます」
「二人で、ですか」
「そうしてもらいます」
「では」
「はい、それでは」
こうしてでした、太郎はお母さんと一緒に海の珍味の山やお酒、それに鯛や平目の舞を楽しみました。そうして。
七日が過ぎた時にです、お母さんが言ったのでした。
「もう満足だよ」
「おっ母、もういいんだね」
「こんなに楽しい思いをさせてもらったのははじめてだよ」
お母さんは太郎に笑顔で言います。
「本当にね」
「じゃあもうだね」
「お家に帰ろうかい」
「そうしよう
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