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羊料理の素材
3部分:第三章
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てしまったって!?」
「ええ、そうよ、そうなのよ」
 両手で顔を覆いながら泣いて話をする。
「私達がビリーを」
「ビリーを!?まさか」
「だってここチャイニーズレストランよね」
「あ、ああ」
 それは間違いない。料理を食べたからそれが何よりの証拠になる。
「だからなのよ」
「だからって。何を」
「そうよ、ビリーを預けたじゃない」
 泣き喚きながら夫に言う。
「それでなのよ。ビリーは」
「ビリーがどうしたんだ」
「中国よ」
 話が混乱していたが必死に夫に言っていた。
「犬、食べるじゃない」
「犬だって!?まさか」
「そうよ、それなのよ」
 ここにきてようやく彼は事情を察した。中華料理で犬といえばであった。
「それで私達が食べたのはビリーだったのよ」
「何てことだ・・・・・・」
「どうしましょう、シカログ」 
 また夫に泣き叫ぶ。
「私達、ビリーを」
「あの、お客様」
 泣き叫ぶジェーンと呆然とするデカログに対してウェイターが唖然とした顔で声をかけるのだった。
「さっきから一体何を」
「ビリーを返して!」
「ビリーをですか」
「そうよ、犬よ」
 彼にも泣き叫びながら言うのだった。
「私達の犬。黒いダックスフントを」
「ダックスフントを」
「まさかと思うが調理はしていないな」
 デカログも取り乱しながらそのウェイターに問うのだった。
「それでわし等にその料理を出して」
「お話がよくわからないのですが」
 二人が、特にジェーンがあまりにも取り乱しているので何を言っているのかわかりかねてこう問うのだった。
「犬がどうとか。何があったのでしょうか」
「私達の犬を調理して出したじゃない!」
「違うのか!?」
「犬を、ですか」
 ここで彼はようやくわかってきたのだった。
「お客様方のお連れした犬を調理してお客様方にお出ししたと」
「違うの!?」
「そうじゃないのか!?」
「まさか」
 困惑したままだったがそれははっきりと否定したのだった。
「我が店では犬料理は扱っておりませんが」
「けれど」
「いえ、それは保障致します」
 それでも彼は言う。
「間違ってもそれはございません」
「けれどビリーは」
「ダックスフントですね」
 またそれをジェーンに対して問う。

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