第87話
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”を使ってみたらどうだ?その端末にも”ゴスペル”を使用しろみたいな事が書いてあるし。」
「う、うん……」
表情を暗くしていたエステルだったがルークの指摘を聞いて気を取り直し、先ほど手に入れた”ゴスペル”を端末の上に置いた。すると”ゴスペル”は今までのように妖しい黒い光を放った。
「当駅付近にあるゲートのロックを解除しました。地下道125号の利用が可能です。」
すると端末からエステル達にとって吉報となる機械的な声による報告が聞こえてきた。
「やった……!」
「これで他の区画に行けるようになるね。」
「これからもこの”ゴスペル”が必要になってくるでしょう。大切に持っておきましょう。」
そしてエステル達は地下道を進み、次の区画に到着した後探索を続けていると驚くべき物が見つかった。
〜リベル=アーク・工業区画”ファクトリア”・第3ファクトリア〜
「―――まさか、こんな所まで連れて来られちまうなんてな。これから俺たち、何をさせられるっていうんだ?」
「さあな……。ただ、教授と執行者が揃って出かけたことを考えると大した任務は残っていないだろうさ。せいぜい、空賊のような連中を捕まえる程度じゃないか?」
「そういえば……たしかリベールの飛行船が不時着していたはずだろう。そちらへの対応はいいのか。」
「教授たちが戻るまでは放置しておけとの命令だからな。ま、船を修理するまでは連中だって何もできないだろうさ。」
エステル達が探索を始めた場所――”第3ファクトリア”には”グロリアス”が停泊していて、見張りの猟兵達が談笑していた。
(”グロリアス”……こんな所に停まってたんだ。)
(ジークの言っていた通り浮遊都市の東側でしたね……。それにしても、なんて大きい……)
(で、でけえ……!タルタロスよりも大きいんじゃねぇのか……!?)
物陰に隠れて様子を窺っていたエステルは真剣な表情でグロリアスを見つめ、クローゼとルークはそれぞれ驚いた様子でグロリアスを見つめていた。
(……どうやらドルンさん達を助けるチャンスみたいだね。)
(教授と執行者たちが出払っているようですからね。)
(厄介な奴等もいない事だし、思い切って突入してみるか?)
(ちょ、ちょっと待って。突入するのはいいけど、ジョゼットに声をかけた方がいいんじゃないの?あの子のお兄さんたちを救出するわけなんだし……)
ヨシュア達が小声でグロリアスに突入するかどうかを相談しているとエステルが慌てた様子で制止した。
(エステル……)
(か、勘違いしないでよ?別にあの子を気遣ってるとかそういうわけじゃなくて……その……遊撃
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