第四章
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「後はもうな」
「順調に進められますね」
「こっちのものだ、奥さんが言う慰謝料は相当だろうけれどな」
「あのご主人にとってはですね」
「子供のお小遣い一ヶ月分みたいなものだ」
出すのは痛いが幾らでもg取り返せるものだというのだ。
「どうってことはないさ」
「だからですね」
「いける、この話も」
「無事に解決出来ますね」
「ああ、円満にな」
「依頼主の家庭は円満じゃないですけれどね」
智久は最後にこんなことを言った、そしてだった。
涼平は離婚調停を進めていった、家庭裁判所でも事実の一部だけを言い依頼主有利に話を進めていった。夫の浮気の証拠も出してだ。
離婚の話を無事に進めた、仕事は依頼主の妻が完全に納得する形で終わった。それで旧姓に戻った保奈美は涼平に招待した高級レストランの中で共に食事をしながら満面の笑みで言った。
「有り難う、全てね」
「俺とですね」
「助手の人達のお陰よ」
こう彼に言うのだった。
「お陰で離婚出来てね」
「そしてですね」
「慰謝料も貰えたわ」
保奈美が望むだけのものとをいうのだ。
「本当に万事解決よ」
「それは何よりですね」
「今はマンションに入ってね」
保奈美は自分の今の生活のことも話した。
「バーもやってね」
「それも慰謝料で、ですね」
「いえ、それは前から持っていたものよ」
「そういえばそうでしたね」
涼平も保奈美に仕事の時に話したことを思い出して言った。
「奥さん資産として持っておられますね」
「前の旦那から貰ったものよ」
「離婚した、ですか」
「ええ、結婚する時にね」
こう涼平に話すのだった。
「貰ったのよ」
「それは何よりでしたね」
「そちらも繁盛してるし」
収入もあるというのだ。
「悠々自適よ、今の子と楽しく過ごしてるわ」
「それは何よりです」
「また何かあれば依頼をさせてもらうわね」
「はい、それじゃあ」
涼平は保奈美ににこやかに応えた、だが彼女との食事の後で。
事務所に帰ってだ、智久にはこう言った。
「やれやれだよ」
「奥さんとお話されたんですね」
「生臭い話だね、本当に」
「何かとですね」
「夫婦だったってのに完全に愛情がなくてね」
「最初からそうみたいでしたね」
「別れた旦那さんもな」
相手の彼もというのだ。
「結局あれだろ」
「はい、結婚していた時から付き合ってた人とです」
「再婚か」
「そのお話を進めているとか」
「どっちもどっちだな」
「夫婦っていっても愛情もなくて」
「身体と金だよ」
この二つだというのだ、彼等が欲しかったものはというのだ。
「最初からな」
「そうしたものだったんですね」
「こうした話じゃ本当によくあるな」
「その通りですね」
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