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『曹徳の奮闘記』改訂版
第七十九話
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た。




「それで最初は何処に行きたいんだ?」

「そうね……月は?」

「私は……服屋かな。新しい服が欲しいから」

 月は少し考えてから言った。

「いいわね。ボクも新しいの欲しかったしね」

「なら最初は服屋に行くか」

 俺達は服屋に向かった。




「……てか俺来たらあかんよな……」

 服屋に着いて中に入ったのはいいが二人は女性だしな、それに服と言っても下着もあるだろうし。

「俺は外で待っとくからな」

 俺は二人にそう言って外へ出ようとする。

「べ、別に構わないです御主人様……」

「へ?」

「ゆ、月?」

 月の言葉に俺と詠が驚く。

「下着はこの間詠ちゃんと買いましたので。今回は普通に服ですので……」

 月はそう言いつつも顔を赤くする。

「……いいのか?」

「ボクに振らないでよッ!!」

 詠に振ったら怒られた。

「……駄目ですか?」

 う、上目遣い……。

「……分かったよ。此処におるよ」

 俺は折れた。

「良かったね詠ちゃん」

「な、何でよ月ッ!!」

 ん? 何か二人が喋っているな。

「どうした?」

「な、何でもないよ御主人様。ね、詠ちゃん」

「う、うんそうよ」

「……ならいいけど……」




「……どうですか御主人様?」

 月はメイド服から白のワンピースを着ていた。

「……うん、マジでいい」

 いいんだけど、何故ワンピースがこの時代にあるんだ?

 ……まぁ犯人はあいつしかいないだろうな、自称天の御遣いだよな。

 あいつが原因の現代の服が多数あるんだよな、まぁたまには役に立ったか。

「ところで詠。詠は此れを着てくれないか?」

 俺は詠にある服を渡す。

「えッ!? な、何で私が此れを着るのよッ!!」

「頼むッ!!」

「詠ちゃん、私もお願い」

「月までッ!?」

 まさかの月が此方側で参戦した。

「〜〜いいわよ。着てやろうじゃないのッ!!」

 詠はそう言って俺から服を奪い取って更衣室に入った。

 ……更衣室もあるのかよ。

 百パーあいつだな。

「けど、月が此方側に来るとは思わなかったな」

「たまには詠ちゃんも可愛くしてもらいたくて……詠ちゃん、可愛いのにいつも否定しますから」

「成る程な。ならもっとやりまくるか?」

「はい♪」

 月が笑う。

「着たわよッ!!」

 その時、詠が更衣室から出てきた。

「これでいいんでしょッ!!」

 詠は顔を赤くしていた。

「……パーフェクト……」

 俺は思わずそう呟いた。
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