第二章
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「卒業して就職したよ」
「だよな、今の会社に」
「そうしたよな」
「そしてな」
「お金を家に入れていってるんだな」
「そうしてるさ、大学の時も就職してからもな」
つまり今もだとだ、良はしみじみとした口調で話した。その話しているものには確かなものがあった。
「姉ちゃん俺が第一でな」
「自分のことはその次で」
「働いて家事もして」
「そうしてたんだよな」
「早く起きて弁当作ってくれてな」
良の言葉はここでもしみじみとしたものだった。
「毎日洗濯もしてな」
「それで御前もな」
「家事をしたんだよな」
「そうしてな」
「二人で暮らしてたんだよな」
「そうだよ、姉弟でな」
まさにだ、二人だけでというのだ。
「それでその姉ちゃんもな」
「遂にな」
「結婚するんだな」
「そうなるんだな」
「ああ、それでその相手の人はな」
姉の結婚相手のこともだ、良は話した。
「俺も何度か姉ちゃんに紹介してもらって会って話をしてるけれどな」
「いい人みたいだな」
「それもかなり」
「しっかりと働いていて」
「性格もいいんだってな」
「器の大きい人だよ」
自分の義兄になるその人のことをだ、良はこう話した。
「おおらかでな」
「そうした人なんだな」
「あ姉さんの結婚相手に相応しい人か」
「そうなんだな」
「ああ、あの人ならな」
どうかともだ、良は言った。
「姉ちゃんを幸せにしてくれるよ」
「そうなるんだな」
「じゃあ御前もほっとしてるよな」
「姉さんがそうした人と結婚して」
「これから幸せになれるって」
「そうだよ、まあ姉ちゃんは家を出るからな」
今は二人で暮らしている家からとだ、良はこのことを少し苦笑いになってそのうえでこうしたことも言った。
「俺は一人暮らしになるけれどな」
「まあそのことはな」
「仕方ないな」
「一人でも頑張れよ」
「しっかりとな」
「ああ、そっちはやるよ」
一人暮らしになった生活もとだ、良は友人達に笑って話した。
「姉ちゃんを心配させない様にな」
「そうしろよ」
「じゃあ結婚式はな」
「お姉さんを祝ってやれよ」
「弟としてな」
「勿論だよ、姉ちゃんの花嫁衣装見るな」
まさにだ、そうするというのだ。
「今から楽しみだよ」
「だよな、お姉さんの晴れ姿な」
「それを見られるんだからな」
「やっぱり楽しみだよな」
「その時が」
「本当にな、幸せになってくれるよ」
こうも言うのだった。
「これからな」
「お姉さんの人生の門出だな」
「新たな、な」
「それを祝ってな」
良は友人達にあらためて言った。
「今は飲もうな」
「ああ、乾杯しような」
「御前のお姉さんの幸せな未来の為にな」
友人達も応えてだ、そしてだった
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