ボス攻略と隠しスキルと恋
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す。ユキにもう大丈夫と言って離してもらうように言ったが、ユキは離そうとしない。
「ユキ、送ってくれるのか?」
さっきから下を向いた状態のユキは、顔を上げずにこくんと頷く。そして回廊結晶を使ってから家の前に転移した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
家に着いてからユキに帰るように言ったが、下を向いたまま頑なに首を横に振り続ける。ユキはキリトが二刀流の話をしたあたりからずっと下を向いていた。
「ゲツガ君が隠してくれることを話してくれるまで帰らない」
「……」
ユキはどうやら、クラインが言ったことを考えていたらしい。そして俺が何かを隠していると気付いたようだ。
「なんで、俺にそこまで?」
ユキにそう言うとようやく顔を上げた。上げた顔は何か覚悟を決めたようなものだ。
「ゲツガ君が……ゲツガ君が好きだから!私は前からゲツガ君のことが好きなの!!でも、気持ちを伝えるのが怖くて言えなかった!」
いきなりの告白に戸惑う。ユキは俺のことが好き……それはうれしいことだが、俺のやったことを聞いたら引かれるだろう。
「ユキ、俺のことが好きなことはうれしい。でも、俺を……人殺しを好きになっちゃ駄目なんだ」
ユキの顔が驚きの表情に変わる。
「俺は一時期、前線から離れたことがあるだろ。その少し前にオレンジプレイヤーを殺したんだ。その時の感触はまだ手が覚えてる。俺はこの手でプレイヤーを殺したんだ……俺は人を殺した時どこかで楽しいって思ってたんだ……お前のような人が俺のような殺人鬼を好きにならないほうがいい」
そう言って手を見ながら言うが人殺しをしたことは伝えた。多分、ユキは離れていくだろう。そう思うと胸の奥がズキンと痛むがこれでいい。人殺しの俺がユキなんかを好きになって迷惑かけるよりいい。そう言って家の中に入ろうとする。すると後ろから抱きつかれる。背中はまだ痛むため顔をゆがめる。
「ッツ……!ユキ、どうしたんだ……」
「そんなの関係ないよ……ゲツガ君は一人で背負って行くため私を遠ざけようしてるんでしょ……」
ユキは全部見透かしたように言った。
「ゲツガ君……例えどんなことをしていようと私はゲツガ君が好き。背負っていくことがあるなら一緒に背負っていく。だから一人で背負い込まないで」
そう言われた瞬間、涙が出そうになる。それを堪えてから思う。これだから俺はユキが好きなんだと。
「……何でこう言ってほしいことをタイミングよく言ってくれるかな」
「えっ?」
ユキを振りほどいてからユキのほうを向く。そして、ユキの唇に自分の唇を重ねた。
「ん……!!」
いきなりのことにユキは驚いていた。唇を離し、しばらく見詰め合ってから言った
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