第102話
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
侍女控室に戻っていつもの服装に着替えたエステル達は、ヒルダとシアにお礼の言葉を言った後、自分達の部屋に戻ろうとした所、ある人物に声をかけられた。
〜グランセル城内・廊下〜
「……こんな時間に何をしてらっしゃるのかしら?」
エステル達に声をかけて来た人物はちょうど謁見の間から2人の特務兵を引き連れて出て来たカノーネだった。
「あ……!」
「カノーネ大尉……」
カノーネ達に気付いたエステル達は驚いた。
「うふふ、こんばんは。いくら招待客とはいえ、あまり感心しませんわね。子供が夜歩きするには遅すぎる時間ではないかしら?」
「申しわけありません。城内が珍しく見物していたらつい遅くなってしまって……」
「あら、それは結構だこと。では、30分ほど前までどこを見物していたのかしら?参考までに聞かせてくれませんこと?」
ヨシュアの言い訳に感心したカノーネはエステル達に尋ねた。
「えっと……メイドさん達がいる部屋に行っていました。」
下手に誤魔化しても無駄と感じたエステルは正直に答えた。
「……ふふ、なかなか素直で結構な事。……まあ、戯れはこのくらいにしておくとしましょうか……。実は、あなたたちが何度かメイド部屋に出入りしているのを見かけたという報告が入っているの。あんな場所を見物するなんておかしいと思いませんこと?」
そしてカノーネは不敵な笑みを浮かべて、指摘した。
「な……!」
カノーネの指摘にエステルは驚いた。
「知ってて質問するなんてずいぶん人がお悪いんですね。」
「うふふ、誉め言葉として受け取っておきましょう。それで、メイド部屋に何の用事があったのかしら?正直に答えた方がよくってよ。」
ヨシュアの言葉を聞き、不敵な笑みを浮かべたままのカノーネは続きを促した。
「それは……」
この場を逃げる言い訳が思い浮かばなく、ヨシュアが必死に考えている所を
「おお〜!エステル、ヨシュア!こんな所にいやがったかぁ〜!」
「ジンさん……」
酔っている様子のジンがエステル達に近付いて来た。
「ぷはぁ〜、染みわたるねぇ!」
そしてエステル達の目の前で豪快に手に持っている手酌をした。
「うわ、へべれけ……」
ジンの行動にエステルは呆れた。そしてジンはカノーネ達に気付いた。
「おっと、こりゃあ失礼。誰かと思えば、ベッピンの女士官どのもご一緒でしたか。いやあ〜、なんと言いますか妙な偶然もあるもんですなぁ。」
「そ、そうですわね……」
突然ジンに話を振られたカノーネは戸惑いながら答えた。
「それで、どうしました?俺の未熟な弟子ども
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ