第84話
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〜アルセイユ・ブリッジ〜
「―――安定翼、格納完了。そのまま最大戦速で加速しつつ、湖上の浮遊都市に向かえ。」
「イエス・マム。」
「敵の迎撃があった場合は?」
部下達に次々と指示をしているユリア大尉に砲撃士の席についているミュラー少佐は尋ねた。
「……そうですね。困難ならば強行突破を行いますが、都市への着陸を最優先とします。」
「了解した。ちなみに、自分に敬語は無用だ。階級はともかく、こうして砲術士として手伝っている以上、貴官の指揮下にあるのだからな。」
「……了解した。」
「へえ、ミュラーさんって砲術士なんかもできるんだ?」
ミュラー少佐が砲術士を務める事に驚いたエステルはミュラー少佐に訊ねた。
「帝国軍で最も導力化された機甲師団で鍛えられたからねぇ。顔に似合わず、その手の業務は一通りこなせるわけさ。」
「……顔に似合わずは余計だ。」
自分の代わりに答えたオリビエにミュラー少佐は顔を顰めて指摘した。
「なるほど、そういう事か。ところでオリビエってばいつの間に着替えちゃったの?」
「帝国皇子として視察するんじゃないんですか?」
軍装からいつもの白いコートに着替えたオリビエを不思議に思ったエステルとヨシュアはオリビエに訊ねた。
「ハッハッハッ。そんなのただの建前さ。これが終わったら、ボクの自由で優雅な時間は終わりを告げてしまうからねぇ。せめてそれまでは気楽な格好でいさせてもらうよ。」
「はは……最後のモラトリアムというわけか。」
「はあ、エレボニアの国民が知ったらどう思うことやら……」
「フン、間違いなく幻滅するだろうな。」
「ア、アハハ…………(私やヨシュアは”元”になりますが、そのエレボニア国民なのですが……)」
「フフ、彼の気持ちは私もわかるよ。今回の件が終わったら、私の放蕩生活も終わりだからね。」
「ふふっ、そう言う所はリチャードに似ているね。」
オリビエの説明を聞いたジンは苦笑し、呆れた表情で溜息を吐いたシェラザードに続くようにリオンは鼻を鳴らして呟き、ステラは冷や汗をかいて苦笑しながら心の中でシェラザードに指摘し、レイスは苦笑しながらオリビエの意見に同意し、ソフィは微笑みを浮かべてオリビエを見つめていた。
「ボクとしては知られても一向に構わないのだがねぇ。どうだい、記者諸君たち。リベール通信でスッパ抜いては?」
「おっと、いいんですかい?」
「だったらバンバン写真撮っちゃいますけど〜。」
「頼むから、そいつの戯言をいちいち真に受けないでくれ……」
オリビエの言葉を真に受けている2人にミュラー少佐は怒りを抑えた様
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