第六章
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「使いますが」
「それでもですね」
「出来る限りはですか」
「命は」
「本当にお願いします」
命を無駄にする様な行為は慎んで欲しいというのだ。
「このことをお願いします」
「はい、それじゃあ」
「これからですね」
「窃盗団を探す」
「館内において」
「そうしましょう」
こう言ってだ、そのうえで。
館長はもう帰っている勤務員達に召集をかけてだった。
警備員達を連れてだった、窃盗団がまだ館内にいるのかどうか探した。館内をくまなく探しているとだった。
奥の倉庫が開かれているのを見た、それを見てだった。
館長は不吉な気配を感じてだ、そのうえで。
連れている警備員達にだ、慎重な声で言った。
「皆さんはです」
「はい、私達もですね」
「これから倉庫の中に入って」
「中をですね」
「いえ、私だけが行きます」
こう言うのだった、そして。
彼は自分だけが倉庫に近付いてだ、扉からだった。
そっと顔を出して中を探った、すると。
暗がりに慣れてきた目でだった、倉庫の中に十人位の者達が倒れているのを見た。そしてその中にだった。
あの髑髏が転がっているのを見た、髑髏は。
後頭部の辺りを見せて転がっている、その後頭部を見てだった。
館長はまずは安心した、その目の部分がこちらを向いていないからだ。
しかしすぐにだ、彼はその場所からだ。
警備員達に向きなおってだ、こう言った。
「窃盗団はここに全員いる様です」
「では」
「今から飛び込んで」
「いえ、全員動きません」
警備員達にだ、彼等の事情も話した。
「気を失っているか若しくは」
「死んでいる」
「まさか」
「そうかも知れません、ですが」
それでもというのだった。
「迂闊に踏み込んではいけません、博士にも来てもらっていますか」
「博士ですか」
「ペドラザ博士ですか」
「博士が来られたらここに来てもらって下さい」
倉庫のところにというのだ。
「是非」
「それはまた何故」
「どうしてでしょうか」
「博士をここにとは」
「窃盗団がいるというのに」
「私はここで博士を待ちます、そして」
そのうえでと言うのだった。
「倉庫の中には私がいいというまで絶対に誰も入ってはいけません」
「そうですか」
「それは絶対にですか」
「宜しいですね」
何時になく強い声でだった、館長は警備員達に言った。家にいた勤務者は全員呼ばれ警察も来た、そして。
博士が館長のところに来た、博士は館長のところに来るとすぐに状況を話した。
「外にトラックが停まっていまして」
「そのトラックが、ですか」
「はい、窃盗団のトラックでした」
「そのトラックはどうなりましたか」
「警察が運転席に待機していた窃盗団のメン
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