第四章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「この髑髏はあまりにも不吉です」
「そんな感じだからね」
「この髑髏だけは出さないでおきましょう」
「それがいいね」
こうしてだった、髑髏だけはだった。
博物館に展示されずその奥深くにしまわれ門外不出のものとなった。それが博物館にあることを知っている者すらだ。
僅かだった、館長は博物館の主席学芸員でもあり博士に自分の部屋で共にソファーに座ってコーヒーを飲みながら話した。
「あの髑髏はね」
「このままですね」
「博物館で保管しておこうか」
「それがいいですね」
「ホープダイアの話があるけれど」
「あれはどうもかなり脚色が入っているそうですね」
呪われたダイアだ、手にした者が次々と破滅していったという。だがそれは話を面白くする為の脚色が多く入っているという。
「ですから本当に呪われているかというと」
「疑問だね」
「その様です、しかしですね」
「あのダイアが保管されていることは事実だからね」
「だからですね」
「あの髑髏もね」
この博物館でというのだ。
「保管しておこう」
「それがいいですね」
「そういうことだね」
「あのダイアの話は脚色が多いですが」
「あの髑髏はね」
「不吉な感じがしてなりません」
「発見された場所が場所だしね」
ピラミッドだ、生贄を捧げていた。
「嫌なものを感じて仕方ないから」
「それでは」
「出さない様にしよう」
「存在を知っている者はこの博物館でも僅かですし」
「このままね」
「何処にも出さない様にしましょう」
二人で話してだ、実際にだった。
血の髑髏は博物館の奥深くに保管されて出されなかった、しかしこの時メキシコシチーに博物館や美術館を狙った窃盗団が跳梁跋扈していた。
彼等についてはだ、館長は博物館に勤務している者全員に強く言った。
「うちの博物館も狙われているかも知れないからね」
「はい、絶対にですね」
「警備を固めて」
「そしてですね」
「博物館の品を守る」
「そうしますね」
「相当悪賢い連中でかなり警護を固めていても盗んでしまうらしいけれど」
それでもと言う館長だった。
「用心に用心を重ねてね」
「そうしましょう」
「何としても」
「窃盗団を退けましょう」
「絶対に」
警備員達を中心としてだ、勤務している者達は館長と共に言った。そして彼等は実際にかなり警護を固めており当直員も増やしていたが。
ある夜だ、その彼等は。
不意に強烈な眠気を催してだ、そのうえで。
眠ってしまった、彼等が眠ってからだ。
博物館の中にマスクをした者達が潜入して来た、彼等は博物館の警備員や当直員達が寝てしまっているのを確認して言った。
「よし、全員寝てるな」
「そうだな、誰もがな」
「今回もいいな」
「よく効く
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ