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少しだけスキャンダル 
第一章
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                  少しだけスキャンダル
 浮気、私は同じ中学のクラスメイトから言われた。
「実は私彼氏がいても」
「そこから先はわかるわ」
 私は少し苦笑いになって彼女に返した。
「他にっていうのね」
「そうなのよ、テレビ観てて」
 私に少し照れ臭そうにかつ申し訳なさそうに言う。
「それでね」
「テレビ?」
「そう、戦隊観てたら」
「誰かいい人いたの?」
「カー将軍っていう敵役いてね」
「ああ、今の戦隊ってダイナマンだったわね」
「そう、ダイナマンの悪役でね」
 カー将軍というキャラクターが出ていたというのだ。
「その人がまた格好いいのよ」
「そこで主役には惚れないのね」
「だってその将軍が格好いいのよ」
 こう私に言うのだった。
「毅然としてて格好もいけてて」
「そんなにいけてるの」
「白や青でね、お顔も白塗り」
「歌舞伎みたいな?」
「ちょっと似てるわね、敵の方の天才科学者で軍神って言われてる人なの」
 頭がよくてしかも強い人らしい、話を聞いていると。
「ダイナマン達のライバル、凄いわよ」
「それで惚れたの」
「彼氏がいてもね」
「やれやれね、何かね」
「何かって?」
「それって浮気?」
 私は少し苦笑いになって彼女に言葉を返した。
「そうなるの?」
「なるんじゃないかしら」
「それだとスキャンダルになるわよ」
 浮気ならとだ、私は彼女にまた言った。
「彼氏がいるんだから」
「そうよね、けれどね」
「そのカー将軍って人がなの」
「とにかく格好よくて。毎週楽しみにしてるわ」
「戦隊の放送時間は部活じゃないの?」
「ビデオで録画してるの」
 最近出回ってきたばかりだ、けれどそのビデオを使ってというのだ。
「それで毎週観てるの」
「ああ、ビデオ持ってるの」
「そうよ、便利よ」
「私も欲しいわね」
「そうでしょ、とにかくね」
ビデオで録画してなの」
「毎週楽しんでるわ、敵役は王子メギドも格好いいけれど」
 その人もというのだ。
「カー将軍最高よ」
「ううん、じゃあ私もね」
 そう聞いてだ、私もだった。
 そのダイナマンを観ようと思ってだ、その彼女の家に行ってだった。
 それで二人でダイナマンを観てだ、こう言った。
「王子メギド格好いいじゃない」
「あら、あんたは王子に惚れたの」
「格好よくない?馬に乗って」
 私は王子メギドを観つつ彼女に話した。
「ダイナマンに何度も向かっていって」
「それがいいのね」
「美形じゃない?しかも」
「そうでしょ、カー将軍もね」
「あっ、白塗りだけれど」
 それでもだ、よく見ればだ。
「カー将軍もね」
「そうでしょ、だから私も好きになったのよ」
「愛してる?」
「愛してるわ」

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