3部分:第三章
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れどそれは」
「だからわからないものさ」
言葉をはぐらかしてきたのだった。
「誰にもね」
「ですか」
「まあ道にゴミを捨てるのは確かによくないよ」
あまり誰も守らないことであるがその通りである。この老婆が言うまでもなく。
「それはわかってるね」
「わかりました」
「わかったらこれでね。けれど今度ゴミを捨てたら」
「捨てたら」
「わからないよ」
老婆は笑ったがその笑みが実に恐ろしげなものであった。それは少なくとも夜叉に見えるものであった。どうしてそんな笑顔を浮かべることができたのか建国にはわからなかった。だが一つわかったことがある。それは道にゴミを捨ててはいけないということである。化け物が出る出ないは別にして。建国にとってはいい教訓になった話であった。少しばかりの恐怖と共にではあるが。
北京の怪物 完
2007・11・7
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