第二部 過去と今
06
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「本部のくせに警備もひよっこ。こんな支部私だけで十分ね。」
「北上……! 」
戦闘態勢に入ろうと、結城先輩がリングに手をかけようとしたのを見て、彼女は嘲笑いながらこう言う。
「ごめんなさいね、結城くん。今日はあなたとは遊んであげない。また今度ゆっくり殺しあうとでもしましょう? 用があるのは水尾の彼。」
矢で僕を指し示すと、他の人には目もくれずに話し続ける。
「さっき高校の屋上であった子たちの中にまさかあなたがまぎれているとは思わなかったのだけれども。隠れるのが上手くなったわね、【異界術師】さん? 」
ゆっくりと僕に近づきながら話す彼女は矢を左手に持ち変え、僕の首筋に当てる。
臆することなく僕は反論を始める。目には目を、歯には歯を。挑発には挑発で返す。
「僕に対しての要件はそれだけですか? 」
北上の人間からしたら僕に用事だなんてたくさんあるだろう。お前たちのせいでこの世界は……! だとか、お前たちがいるから世界が平和にならないだとか。どんな罵りだろうともう慣れてしまったから心になんて全く響かない。
「相変わらず生意気ね。」
「ええ、生意気でも何でもいいですよ。要件がないならお引き取り願えますか? 僕たちそれどころじゃないんですよ。あなたの言うひよっこですし、手際が悪いんで、早く動かないと取り返しのつかないことになるんです。」
「あなた、殺されたいの? 」
「どんなに生意気でも、ムカついても、殺せないじゃないですか。そんな理由で殺されるなら僕、とっくに殺されてますよ? 北上の皆さんが血眼になって僕を追いかけてもいっこうに殺せない。そんなに恨みがあるならすぐにでもその左手、動かしたらいいじゃないですか。僕だって人間です。矢で首をひっかかれれば簡単に死にますよ? 」
実際にそうだ。殺したいなら今すぐにでも殺せばいい。こちらから隙を作ってやっているんだから、その気になれば簡単に殺せる。まっとうな意見に悔しがっているのか、彼女は唇を強く噛む。
「うるさいうるさいうるさい! 水尾の分際で私たちを煽るんじゃないわよ! 」
怒りに任せて彼女が左手に力を入れた瞬間―
「甘いですよ? 」
本意ではなかったけれど、彼女の右足首を力いっぱい蹴り、僕はその間にブレスレットから剣を取り出す。
「……っ! 舐めやがって! 」
「そろそろ僕も決着をつけたいと思っていたんです。北上さん、僕たち水尾と殺しあいましょうか。そうすればきっと丸く収まりますよ。」
「彩樹! 」
一連の流れを見ていた嗣柚が声をあげるが、僕は唇に人差し指を当てる。
「嗣柚、大丈夫だよ。だって―」
今度は僕が北上の彼女に近づいて剣を喉元に当てがう。
「こんな小娘一人程度じゃ僕なんて殺せない。それに、本当に
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