暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第44話「心の傷」
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て装飾された家。
  ささやかではあるが、きっちり葬式は済ます事になっている。
  僕も入院しているけど車椅子で参加した。

「緋雪ちゃん....。」

「緋雪....。」

  ...参加したのは、高町家、月村家、バニングス家など、知り合いの家族や、他には魔法関連の人達。....皆、話を聞きつけて来れる人は来たようだ。

「....優輝、大丈夫か?」

「...クロノか...。...無事に見えたら、お前の目は節穴だぞ。」

「.....だろうな。」

  クロノが僕を心配して声を掛けてくれる。
  ちなみに、クロノは執務官の身でありながら、態々急遽有休を取ってきたらしい。

「...家族を、二度も失う事になるなんてな...。」

「.......すまない。」

  ふと、自嘲気味に呟いた僕にいきなり謝ってくるクロノ。

「...どうしたんだよ、いきなり。」

「...ただ、僕は無力だと思ってね...気にしないでくれ...。」

  苦虫を噛み潰したような...思い出したくない事を思い浮かべたような顔で、クロノは僕にそう言った。

「.....無力を感じてるのは、僕の方だよ。」

「それでも君は、よくやった方だ。...すまない、君も一人の方が落ち着けるだろう。そろそろ僕は向こうに戻ってるよ。」

  そう言ってクロノは管理局組の方へ戻る。
  ...今はその気遣いだけでも辛いんだけどね...。

「(親を失い、次は妹を失う....か。まるで疫病神だな。僕って。)」

  それなのに、僕だけは生きている。
  なんとなく、それがもどかしく感じられた。







「......。」

  葬式が終わり、葬式の片づけを黙って見ている。
  高町家の人達が気を利かせて片づけを手伝ってくれたようだ。
  ちなみに、僕は無理をしないようにじっとしておくように言われた。

「(....死に別れって、ここまで辛かったっけな...?)」

  僕が今まで経験した死に別れは、前世での両親と聖司。
  それと、世間上ではあるが、今世の両親。

「(...皆、確かに辛かった。でもここまでは...。)」

  つい先日まで知っていた人物と会えなくなる。
  確かにそれは辛い。だけど、今回ばかりは違った。

「(緋雪だから....シュネーだから...か。)」

  ムートだった時の、大切な幼馴染だから。
  家族で、僕の妹だったから。
  ...一度助けられず、そして二度目の機会でも命を助けれなかったから。
  チャンスを逃し、そして、僕自身が殺した。
  だからここまで辛いのだろう。

「(...全部、全部僕の力不足だな...。)」

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