第2章:埋もれし過去の産物
第44話「心の傷」
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)」
―――....悪いのは、私が存在してるからだよ...。
....そして、その思考は負の方面へと向かっていく。
根拠はない。無理矢理こじつけたかのように、司は自分のせいだと決めつける。
「(私がいたから、私なんかと二人が関わってしまったから、こんな....こんな事に...!!)」
一種の狂気のような、そんな歪んだ思考に司は囚われて行く。
「(全部...全部全部全部全部!!私が!私がいるからいけないんだ!!私がいるから皆を不幸にするんだ!!“お母さんお父さん”の時も...今回だって!!)」
叫んで気持ちをぶちまけたくなるのを抑えながら、司はそう考える。
「.....もう、僕なんて....。」
「―――司!」
「っ....!」
突如、呼びかけられた事に硬直する司。
「司!どうしたのですか!?」
「ぇ、あ....リニスさん....?」
「使い魔のパスに違和感があったので様子を見に来たのです。」
使い魔との魔力によるパス。
それはある程度の精神状態なら、パスで繋がっている相手の状態が分かる。
それによってリニスは司の所へ駆けつけたのだ。
「...なにがあったのですか?」
「っ...なんでもない。」
リニスの問いに、司はなんでもないと答える。
...もう、自分に関わらせたくないがために。
「嘘でしょう?」
「...緋雪ちゃんの事で、動揺してただけだよ。」
「.....話を聞かせてもらっても?」
司はリニスに優輝から聞いた話を話す。
「....それで司は先程のような....。」
「...うん。」
嘘だ。そう、司は心の中で自虐する。
リニスは緋雪が死んだショックで先程のような精神状態になっていると思うが、実際は違う。ただ、歪んだ思考で自分を責めていただけにすぎない。
「...とにかく、今日はゆっくり休んでください。まずは、心の整理が必要です。」
「...分かったよ。」
リニスに言われた通り、司は早く家に戻ろうとする。
リニスも心配なため、付いてきた。
「(....どうせ、私なんて...。)」
暗い気持ちのまま、司は家へと帰っていった。
―――....ズズ....。
...シュラインの中にある存在が、黒く染まった気がした....。
=優輝side=
「.....はぁ....。」
視界に広がるのは、緋雪の葬式とし
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