第2章:埋もれし過去の産物
第44話「心の傷」
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リサちゃん!すずかちゃn....っ!!?」
教室の扉を開け、確認を取ろうとアリサとすずかを呼ぼうとして、司は言葉を詰まらせた。
「....ぇ....?」
教室内の空気が、あまりにも重かったのだ。
...まるで、先程伝えられた事が事実だと証明するかのように。
「司...さん...?」
「ぁ..す、すずかちゃん...緋雪ちゃん、は....?」
信じられない、信じたくない。
そんな気持ちで、恐る恐る司はすずかに聞いた。
「っ.......。」
「う、そ....!?そん、な.....!」
信じたくなかった。しかし、それは事実だった。
その事を悟り、司は膝から崩れ落ちた。
「...さて、志導へこの手紙を届ける訳だが...行きたい奴はいるか?」
午後にあったLHRで、先生がそう言う。
しかし、衝撃的な事を知った皆は、それどころじゃなかった。
「.....はい。」
「.....聖奈だけか?」
その中で、唯一司だけが手を挙げ、司が優輝のお見舞いに行くこととなった。
「(優輝君に、訳をちゃんと聞かなきゃ...!でないと...でないと...!)」
...尤も、司自身も心の中では焦燥感に煽られていたが。
―――コンコンコンコン
「.....はい?」
「...優輝君、お見舞いに来たよ。」
「司さん?...入っていいよ。」
病室のドアをノックし、司は優輝の病室へと入る。
「.....優輝君、あの、これ....。」
「お見舞いありがとう司さん。...花束と...手紙?」
「...クラスの皆からだよ。」
なるべく...できるだけ平静を装いつつ、司は優輝へお見舞いの品を渡す。
「ありがとう。後で読んでおくよ。」
「うん。...それで、えっと...。」
まだ信じられない気持ちが強く、司は口ごもる。
「....緋雪の、事...?」
「っ....!....うん。」
司の考えを汲み取ったのか、優輝は司が聞きたい事を言い当てる。
「...学校に伝えられた通り...って言っても、信じられないよね?」
「....うん。緋雪ちゃんは....言ってはなんだけど、吸血鬼。...生半可な事故で死ぬ訳ないよね?....どう考えても、魔法等に関連した事件に巻き込まれた...。」
「........。」
司は信じられないながらも、ある程度の予測は立てていた。
その予測を、優輝は黙って聞いた。
「...概ね、当たってるよ。」
「....でも!そ
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