第2章:埋もれし過去の産物
第44話「心の傷」
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は、体を癒してくれ。」
「....はい。」
確かに、士郎さんの言うとおり僕は体を癒すのが先決だろう。
魔法も使えなく、ちょっとした治癒魔法でも僕のリンカーコアが過剰に反応して激痛を迸らせる。...霊力で自然治癒を促進させるしかない今、安静にしておくべきだな。
「...当事者ではない僕は、君の今の気持ちがどんなのかは分からない。君自身も容易に理解はされたくないだろう。....だけど、辛ければ頼ってくれ。分かったかい?」
「.....はい。」
僕の琴線に触れないように言葉を選んで気遣えてる時点で、士郎さんは十分に僕の気持ちを理解できてると思う。
...それでいて、理論や言葉では解決できない事は避けてくれている。
それが、本当にありがたかった。
=out side=
「(....あれ?優輝君、遅刻かな?)」
月曜日、学校にて司はSHRの時間なのに優輝の席が空席なのに気付く。
「ほらー、皆座れー。SHRだぞー。」
担任の先生がやってきて、SHRが始まる。
「...えっと、だ。皆に重要なお知らせがある。....皆は志導が来ていない事に気付いていると思うが....その志導が、先日事故に遭った。」
「え....!?」
先生の言葉に、クラスの全員がざわめく。
優輝はそこまで深くなくとも広く友好関係があったため、皆驚いたようだ。
「(嘘...!?一昨日、あんなに元気だったのに...!?)」
司は、一昨日に会ったばかりなので、事故に遭ったのが信じられなかった。
「...兄妹揃って事故に遭い、志導の方は軽傷だったが....四年生の妹の方は.....。」
「っ....!?」
今度は、ざわめく事も出来なかった。
「...っ、いや、なんでもない。..とにかく、志導は事故によって入院中だ。...なので、皆でお見舞いの手紙を次のLHRで書いてもらう。」
失言だったのか、先生は誤魔化したが、全員今ので察してしまったようだ。
先生の言葉に耳を傾ける事もできず、ただ人が死んだ事を実感できずにいた。
「.....連絡は以上だ。」
自身も動揺して言わないべきだった事を言ってしまった先生は、さっさとSHRを終わらせ、教室を出て行った。
「(....嘘....?緋雪ちゃんが....?)」
皆が沈黙する中、緋雪とも仲が良かった司は、信じられずにいた。
「(...嘘、嘘だよ...!きっと、緋雪ちゃんの教室では...!)」
SHRと一時間目の間の休み時間を使って、司はすぐさま緋雪がいた教室へと向かった。
「ア
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