第83話
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ふ……よろしくお願いしますね。」
「やれやれ……何とか話がまとまったか。これで俺もようやく司令部に戻ることができる。」
「父さん……やっぱり付いてきてくれないんだ?」
カシウスの答えを聞いたエステルは若干残念そうな表情で尋ねた。
「ああ……悪いな。一時的に撤退したとはいえ帝国軍の脅威は無視できん。ハーケン門だけではなく、海からの侵攻の可能性もあり得る。もちろん王都で起こった”結社”の襲撃も予想できるだろう。この状況で王国軍を留守にするわけにはいかんのだ。」
「うん……わかってる。あたしはあたしで頑張ってくる。ヨシュアとルーク兄とレンと……それからみんなと一緒にね。だから父さんも……倒れない程度に頑張ってね」
「ああ……任せておけ。ヨシュア……お前にはこれを渡しておこう。」
「え……」
エステルの激励の言葉に頷いたカシウスは一通の手紙をヨシュアに渡した。
「これは……?」
「ま、ちょっとした親心さ。男と男の話だからエステルには刺激が強すぎるかな。」
「な、なによそれ……」
「……分かった。後で読ませてもらうよ。」
「ああ、そうするといい。」
「まったくもう……。男っていうのはこれだから。」
「まあ、そう拗ねるな。全てのケリが付いたら俺も休暇を取るつもりだ。その時は久しぶりに家でのんびりと過ごすとしよう。その時は、エステル。レナと一緒にまたあのオムライスを作ってくれ。」
「あ……。……うん、任せといて!」
「うふふ、その時はレンも一緒に作ってあげるわ♪」
そしてアルセイユ離陸し、浮遊都市に向かって飛び去った。
「………………………………」
「いいのか……カシウス?そんなに心配ならば行っても良かったのだぞ?」
浮遊都市に向かって行くアルセイユを見送っているカシウスにモルガン将軍は指摘した。
「いや、いいんです。例のワイスマンという男……。思っていた以上に危険極まりない。私が同行していた場合、恐らく手段を選ばないでしょう。」
「確実に抹殺してくるか……。……やれやれ。お前も随分買われたものだな。」
「まったく、えらい迷惑ですよ。ですが、逆にそこに付け入る隙が出てくるでしょう。」
モルガン将軍の推測に疲れた表情で溜息を吐いて答えたカシウスは気を取り直した。
「虚実入り混じった読み合いか……”鉄血宰相”の方はどうだ?」
「あちらもあちらでやっかいな御仁ですが……。まあ、こちらがこれ以上隙を見せなければ大丈夫でしょう。」
「ふむ、そうか……。全ては”アルセイユ”の一行にかかっているというわけだな……」
「ええ……」
モルガン将軍の
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