第83話
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イユが空を飛んでやがるんだよ!?」
呑気な様子で語るラッセル博士の話を聞いてある事に気づいたアガットは信じられない表情で訊ねた。
「ひょっとして……『零力場発生器』の大型版なの?」
「うむ、その通りじゃ。お前さんたちに渡したのは大型版を開発するために試作したプロトタイプでな。今までアルセイユに閉じこもってようやく完成にこぎつけたんじゃ。」
ティータの推測にラッセル博士は頷いて答えた。
「そうだったんですか……」
「要するに、何もかもが父さんの差し金だったわけね?」
「人聞きの悪いことを言うな。俺はただ、皆が動きやすいようにお膳立てをしただけにすぎんさ。お前たちも自分自身の意志で今まで行動してきたんだろう?」
「そ、それはそうだけど……。そういえば、ケビンさん達がどうしてここにいるわけ?」
「ああ、ぶっちゃけ大聖堂に騎士団本部からの連絡が届いてな。”輝く環”がどういう物で、どうすれば災厄を抑えられるか大体のところが分かってきたんや。それをカシウスさんに話してたらこんな所まで付き合わされてな。」
「ええっ!?」
「”輝く環”の正体……ですか?」
ケビンの説明を聞いたエステルは驚き、ヨシュアは真剣な表情で尋ねた。
「―――”輝く環”とはあの浮遊都市の事ではなく、都市全体に導力を行き届かせてコントロールする古代遺物らしいのです。」
「そして、その端末があの”ゴスペル”、だったわけという事です。」
「都市をコントロールする古代遺物……」
「で、でもどうしてそんな物が導力停止現象を?」
イオンとアリエッタの説明を聞いたクローゼは考え込み、ティータは不安そうな表情で訊ねた。
「これは推測やけど……”環”は外界に存在する異物を排除する働きを備えてるらしい。この場合、異物っちゅうんは現代に造られた新たな導力器―――すなわちオーブメントってことや。」
「影響範囲内にある異物をことごとく無力化する……。いわば防衛機構といったところか。」
「その可能性は高いじゃろう。そしてそれが本当なら一条の光明が見えてくる。あの巨大さゆえ、都市そのものをどうにかするのは困難じゃが……。都市のどこかにあるという”環”の本体さえ発見できれば対策の立てようもあるはずじゃ。」
ケビンの説明を補足するように答えたジンの推測にラッセル博士は頷いて話を続けた。
「なるほど……そういうことですか。」
「本体を叩いて全てを無力化するというわけか。」
「た、確かに光明かも……」
博士の説明を聞いたヨシュアとレイス、エステルはそれぞれ納得した表情をした。
「ふむ、いい感じで最終目的が定まってきたようじゃな
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