第82話
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実に言えることがある。君達には、我々の善意と正義を退けるだけの根拠も実力もないということだ。」
「くっ……」
「………………………………。ならば……証明すれば宜しいのですね?」
オリヴァルト皇子の正論に対する反論ができないエステルが唸ったその時、クローゼが静かに進み出て尋ねた。
「ほう……?」
「この状況にあってあの浮遊都市を何とかする可能性を提示できれば……。わたくし達にしばしの猶予を頂けるのですね?」
「ふむ……そうだな。一時的ではあるがそうせざるを得ないだろう。」
(お、皇子……!?)
クローゼの問いかけに答えたオリヴァルト皇子の答えに驚いたゼクス中将は慌てた様子でオリヴァルト皇子を見つめた。
(落ち着け、中将。不戦条約を結んだ相手に当然の礼儀というものだろう。それに証明できれば、だ。)
(……は………)
ゼクス中将を納得させたオリヴァルト皇子は再びクローゼを見つめた。
「それでは……。君たちが可能性を提示できたら一時的に撤退することを約束しよう。『黄金の軍馬』の紋章と皇族たる私の名に賭けてね。」
そしてオリヴァル皇子が宣言したその時!
「その言葉、しかと聞きましたぞ。」
突然、聞き覚えのある男性の声がどこからか聞こえて来た。
「い、今の声は……!」
「ひょっとして……!」
「嘘だろ……!?」
「うふふ、この絶妙なタイミング……なるほど………――――”そういう事”ね。王子様はもしかして知っていたのじゃないかしら?」
「さて、どうだろうね?」
男性の声を聞いたエステルやシェラザード、ルークが驚いている中、事情を全て察したレンに視線を向けられたレイスは口元に笑みを浮かべて答えを誤魔化した。
「ああ……間違いない。」
「おいおい、マジかよ!」
「……父さん。」
ジンは確信を持った表情で頷き、アガットは信じられない表情をし、ヨシュアが口元に笑みを浮かべて呟いたその時上空からアルセイユが降りてきて着陸した!
「これが現時点で我々が提示できる可能性です。どうぞじっくりとご覧あれ。」
「父さん……!」
「カ、カシウス・ブライト!?」
アルセイユの甲板にいるカシウスを見たエステルが明るい表情をしている中、ゼクス中将は信じられない表情で声を上げた。
「ゼクス少将、久しぶりですな。おっと……今では中将でしたか?」
「そんな事はどうでもいい。ど、どうしてこんな所に……。それよりもその船は何なのだ!?どうしてこの状況で空を飛ぶことができる!?」
「それは国家機密と申し上げておきましょう。貴国がどうして蒸気戦車を保
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