第82話
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「して……王太女殿下がどうしてこのような場所に?モルガン将軍と同じように我々に抗議するおつもりですか?」
「いえ……そのつもりはありません。帝国南部の方々もさぞかし不安な思いをなされている事でしょう。夜の闇、寒さ、情報の途絶……。どれも不安をかき立てるのに充分すぎる出来事でしょうから。」
「………………………………」
クローゼの話をゼクス中将は口を挟むことなく黙って聞き続けていた。
「で、ですが……」
「目下、わたくしたちはこの異常現象を解決する方法を最優先で模索しております。また、件の犯罪組織についても自力で対処できている状況です。不戦条約によって培われた友情に無用な亀裂を入れないためにも……。どうか、わたくしたちにしばしの時間を頂けないでしょうか?」
「…………むむ………………」
そしてクローゼの正論に返せないゼクス中将が唸ったその時
「……残念だが、それはそちらの事情でしかない。」
ゼクス中将の背後から、エステル達にとって見覚えのある金髪の青年がクローゼのように軍装を身に纏い、ミュラー少佐を引き連れて現れた!
「……皇子……」
「ここは私が引き受けよう。下がっていたまえ、中将。」
「は……」
ゼクス中将を下がらせた青年は前に出てクローゼ達と対峙した。
「……へっ……」
「ハアッ!?」
「まさか……」
「冗談だろ……」
「もしかして……オリビエ……?」
「うふふ、ようやく”正体”を現したわね。」
「フン、胡散臭い男とは思っていたがまさか皇族だったとはな。」
青年の顔を見たエステルとルーク、シェラザードとアガットは信じられない表情をし、ソフィは首を傾げ、レンは意味ありげな笑みを浮かべ、リオンは鼻を鳴らして青年を見つめた。
「お初にお目にかかる。クローディア姫殿下。エレボニア皇帝ユーゲントが一子、オリヴァルト・ライゼ・アルノールという。」
「!!!(皇帝の一子って……お、皇子様ってこと〜!?シェラ姉、知ってたの!?)」
(し、知るわけないじゃない!てっきり帝国から派遣された諜報員だと思ってたわよ……)
(まさか皇族が身分を隠して自らリベールに訪れていたとはな……フッ、お前やメリルともいい勝負をしているな?)
(いや、それ以前に俺やナタリアは旅の時も身分を隠していなかったから、勝負とかそういう問題じゃないっつーの。)
青年―――エレボニアの皇子であるオリヴァルト皇子の名乗りを聞いたエステルはシェラザードに尋ね、尋ねられたシェラザードは信じられない表情で答え、バダックに視線を向けられたルークは疲れた表情で答えた。
「
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