第81話
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ちを逃がすために負傷した小父様たちに申し訳が立ちません。必ずや、お祖母様の代理として帝国軍との交渉を成し遂げてみます。」
「……分かりました。不戦条約が締結されたとはいえ、リベールとエレボニアの間の天秤はいまだ不安定と言えるでしょう。今回の事件は、さらに大きな揺り戻しにつながりかねません。…………その天秤のバランス取り……どうかよろしく頼みましたよ。」
「……はい!」
「レイシス……クローディアの事を引き続き頼みます。」
「ハッ!」
アリシア女王とクローゼ、レイスが話し終えると、エステル達はそれぞれお互いに目配せを行い、エステルが仲間達を代表して申し出た。
「あの……。だったら、あたし達も一緒に付き合ってもいいですか?」
「え……」
「王太女殿下をハーケン門まで無事、送り届けさせて頂きます。」
「それと万が一、戦争が起こりそうになったら出来るだけの協力はしてやるぜ。」
「無論、ギルドの規約により戦争には協力できませんが……」
「中立的な立場からの仲裁なら幾らでもさせてもらいましょう。」
「勿論最悪交渉が決裂して王太女殿下の身に危険が迫った時は、王太女殿下を撤退させる時間も俺達が稼ぐぜ!」
「うふふ、それがレン達遊撃士の役目だもの♪」
「こんな時くらいは真面目に答えなさいよ……―――ともかく、遊撃士協会としても国家間で戦争が起こるかもしれないという状況は見過ごせません。ですから、どうか私達にも協力させてください。」
「皆さん……」
「ふふ……。願ってもないことです。どうかよろしくお願いします。」
遊撃士達の心強い申し出を聞いたクローゼは明るい表情をし、アリシア女王は微笑んで答えた。
「……エステル君、ヨシュア君。”結社”の動きに関しては我々に任せておいてくれたまえ。」
「例え、報告にあった巨大人形が王都に現れても対処できるよう万全の体勢を整えておくつもりだ。」
「2人とも……」
「よろしくお願いします。」
そしてリシャールとシード中佐の心強い言葉を聞いたエステルは明るい表情をし、ヨシュアは頭を下げた。
こうしてエステルたちはクローゼたちを護衛しながら一路ハーケン門を目指した。グリューネ門を越え、ロレント地方をできる限りの早さで通過してから……エステル達はついにハーケン門に到着した。
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