第81話
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結しているのは1個師団程度のようですが……。ど、どうやらその中に戦車部隊が存在するらしく……」
「なんだと!?」
「ちょ、ちょっと待て!導力停止現象の中でどうして戦車が動かせる!?」
「まさか”結社”と同じ技術を使っているの!?」
さらに驚くべき報告を聞いたシード中佐は声を上げ、アガットは信じられない表情をし、シェラザードは真剣な表情で声を上げた。
「いえ……どうやら導力機構を搭載していないタイプのようです。観察した限りでは『蒸気機関』で動いているとか……」
「蒸気……機関?」
「えとえと……内燃機関よりも原始的な蒸気の力を使う発動機だけど……。オーブメントの普及と共にすぐに廃れてしまった発明なの。」
初めて聞く言葉に首を傾げているエステルにティータが説明した。
「……そんな物で動く戦車などどの国も保有しているはずがない。導力戦車と比較するとあまりに経済効率が悪いからな。」
「ならば答えは一つ……。秘密裏に帝国内で製造されていたわけですな。」
「そ、それって……」
「……この事態を見越していたということか。」
「でも、どうしてこんなタイミング良く現れたんだろう?」
「……考えたくはねぇが、帝国の上層部の誰かが”結社”と繋がっているかもしれねぇな……」
リシャールとジンの話を聞いたエステルが信じられない表情をしている中、バダックが重々しい様子を纏って答え、ソフィの疑問にフレンは厳しい表情で答えた。
「と言う事は先程、結社の連中が言っていた『次なる試練』というのは……」
「ええ……恐らくこの事だと思います。そして彼らは、今度の事件で王都を人質に取ってしまった。」
「その気になればいつでも王都を狙える……そういう意図もあったわけか。」
シード中佐に続くように答えたヨシュアの話を聞いて結社の意図を理解したリシャールは皮肉気な笑みを浮かべて答えた。
「加えてもう一つ……。恐らく父は、あなたの存在を隠し札として考えていたはずです。緊急事態が発生した時に自分の代わりに派遣できるとっておきのジョーカーとして。ですが、そのカードはすでに切られてしまいました。」
「………………………………」
「”身喰らう蛇”……そこまで狙っていたのか。」
更にヨシュアの推測を聞いたリシャールは表情を唖然とさせ、レイスは厳しい表情で呟いた。
「……お祖母様。どうか私をハーケン門に行かせてください。」
「ええっ!?」
「クローゼ……」
するとその時クローゼが決意の表情で申し出、クローゼの驚愕の申し出を聞いたエステル達はそれぞれ驚いた。
「ここで動かなかったら私た
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