第101話
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願いたいものですわね。」
フィリップの謝罪の言葉に対してヒルダは皮肉げに答えた。
「本当に申しわけありません。夫人、お嬢様がた。それでは失礼いたします。」
もう一度エステル達に頭を下げたフィリップはデュナンが入った部屋に入った。
「ふう、あの男ときたら……。相変わらず余計な苦労を背負いこんでいるようですね……」
「あれ、ヒルダさんってフィリップさんと知り合い?」
フィリップが去った後溜息を吐いているヒルダを見て、エステルは尋ねた。
「幼い頃からの知り合いです。もっとも今では、仕える方も立場も隔たっていますが……」
「そうだったんですか……」
「確かにフィリップさんって見るからに苦労性って感じよね。公爵が大佐に唆される状況にハラハラしてるんじゃないかしら。」
「その可能性は高そうだね……。そういえば、エステル。君だってモテてるじゃないか。公爵は君の方が好みだってさ。」
エステルの言葉に頷いたヨシュアはある事でエステルにからかわれた事を思い出し、仕返し代わりに言った。
「ぞわわっ、何だかちっとも嬉しくないんですけど……。あ、ところで結局、『トギ』って何だったの?」
ヨシュアの仕返しに身を震わせたエステルはデュナンが言ったある言葉に首を傾げて、ヨシュアを尋ねた。
「そ、それは……」
一方尋ねられたヨシュアは答えずらそうにしていた。
「エステル殿。そのようなことを殿方に聞いて困らせるものではありませんよ。」
「へっ?」
ヒルダの注意にエステルは首を傾げた。
「……お耳を拝借。」
そしてヒルダはエステルにそっと耳打ちをした。
「………………………………」
ヒルダが離れるとエステルは顔を真っ赤にして、うつむいていた。
「……理解できましたか?」
「あ、あう……。…………ハイ……」
ヒルダの確認の言葉にエステルは恥ずかしそうに頷いた。
(まったく無防備なんだから……)
エステルの様子を見て、ヨシュアは溜息を吐いた。
そしてエステル達は侍女控室に戻って行った……
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