第101話
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聞いたヨシュアは驚き、顔つきをこわばらせた。また、エステルの中で話を聞いていたパズモ達は驚き、それぞれエステルの身体の中からデュナンを睨んだ。
「へ……?」
一方、命令の意味がわかっていないエステルは呑気に首を傾げた。
「こ、公爵閣下!?」
(ねえ、伽ってなに?)
(えっと、何て言えばいいのか……)
デュナンの命令にフィリップが驚いている中、エステルはヨシュアに小声で尋ねたが、ヨシュアは言葉を濁した。
「閣下、いくらなんでもお戯れが過ぎますわよ……。城勤めの侍女は全て女王陛下に仕える身です。そのことをお忘れですか?」
ただ一人驚かなかったヒルダはデュナンを睨んで、注意をした。
「わかった、わかった……。まったく冗談の通じないヤツだ。ヒック、どうせ1週間後にはこの城は私のものになるのだ。その時までのお楽しみにとっておくとしようかのう……」
「………………………………」
ヒルダの注意に眉をしかめたデュナンだったが、自慢げに呟いた。その様子をヒルダは冷ややかな目線で睨んでいた。
「か、閣下!いい加減になさいませ!暴飲暴食ならともかく、色に走るなど言語道断!このフィリップ、一命を賭してお諫めさせていただきま……」
「だから冗談だと言っているであろうが!もういい!今夜はとっとと休むぞ!」
フィリップの注意を五月蠅そうに聞いていたデュナンは命令を変えた。
「さ、さすがは閣下でいらっしゃいます。そちらが閣下の部屋です。足元にお気を付け下さい。」
そしてデュナンは酔った足取りでフィリップが指定した部屋に歩いていたが、エステルの方に振り向いて言った。
「うい〜……そうだ、サティアとやら。困ったことがあったら遠慮なく私に相談するといい。次期国王みずから親身に相談に乗ってやろう。」
「あは……はは……どうもありがとうございマス。」
(ふざけないで!絶対エステルを貴方なんかに近づけさせないわ!それに貴方がサティアの名前を口にするなんて、不愉快よ!)
(全くだ!もし、その色欲に走った目でエステルに迫ってみるのなら……我が炎でその身を消し炭も残さず焼き尽くしてくれる!)
(ま、まあまあ……落ちつきましょう、2人とも。)
デュナンの言葉をエステルは棒読みに答えた。一方エステルの身体の中にいたパズモやサエラブは憤り、テトリは2人を諌めていた。
「わはは、愛いやつじゃ。うむ、愉快愉快!」
そう言ったデュナンは部屋の中に入った。
「どうもお騒がせしました。多分、閣下は明日の朝になれば何も覚えてらっしゃらないでしょう。どうかご安心くださいませ。」
「……そう
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