第101話
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。君だって結構、話が弾んでいたじゃないか。」
グランセル城内の廊下まで戻ったエステルは溜息を吐いてヨシュアを恨みがましそうな表情で見て、エステルに見られたヨシュアは呆れた表情で言い返した。
「あたしの時は、あの連中、別に緊張してなかったもん。ふう、何だかちょっと自信がなくなっちゃったなあ。」
「え……?」
エステルの呟きにヨシュアが首を傾げた時
「ヒック……。何を騒いでおるのだ……」
談話室の扉が開き、酔っぱらっているデュナンとデュナンの後に着き従っているフィリップがエステル達に近付いた。
「これは公爵閣下……」
デュナンに気付いたヒルダは驚いた表情で会釈をした。
「何だ、女官長ではないか……。おや……なんだ、その侍女達は……。ヒック……見たことのない顔だが……」
見覚えのないメイドであるエステルとヨシュアを見て、デュナンは首を傾げた。
「新しく入った侍女見習いのサティアとカリンと申します。まだ城内に不慣れなもので色々案内しているところです。」
「おや……?」
フィリップはエステル達の顔を見て、首を傾げた後エステル達に少し近付いて、エステル達の顔をよく見た。
「………………………………」
(あっ……気付かれた?)
(……まずいな。この人とは何度か会っているから気付かれてもおかしくない……)
フィリップに凝視された2人は正体がばれるか内心冷や汗をかいた。
「なんだ、フィリップ。まじまじと顔を見つめて……。わはは、堅物のお前にしてはずいぶんと珍しいではないか。」
デュナンは今まで見た事がないフィリップの様子を見て、笑い飛ばした。
「これは失礼しました……。わたくしの姪に似ていたので一瞬、目を疑ってしまいまして。お嬢さん方。申し訳ございませんでしたな。」
「あ、いえいえ。」
「どうかお気になさらずに……」
フィリップに謝られたエステル達は内心、正体が発覚しなかった事に安心した後、答えた。
「ふむ、見ればどちらも中々の上玉ではないか……。特に栗色の髪の方は健康的ですこぶるいいのう。」
(ぞわわっ……)
デュナンの言葉を聞いたエステルは身を震わせた。
「黒髪の方は、もう少々、胸に張りが欲しい所だな……」
「……きょ、恐縮です。」
デュナンの指摘にヨシュアは一瞬困惑したが、笑顔で答えた。
「ふむ、そうだな……。サティアとやら!今夜の伽を申し付けるぞ!」
そしてデュナンはエステルを見て、声を張り上げて命令した。
「!!!」
(なっ!?)
(えっ!?)
(なんだとっ!?)
デュナンの命令を
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